目次
Page 1
ー 「自分にはたしてできるだろうか」
Page 2
ー 役作りの苦労
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ー 『虎に翼』はひとつの転機

「主人公を伊藤沙莉ちゃんが演じるというニュースを見て“絶対見よう”と思っていたので、オファーは“まさか!”という感じで。台本をもらうまでは信じられない感じでした(笑)。家族はもちろん、(猪爪)直道役の上川周作との共演に(京都造形芸術)大学の仲間もすごく喜んでくれました」

 と語るのは、朝ドラ虎に翼』で山田よねを好演している土居志央梨

「自分にはたしてできるだろうか」

 寅子(伊藤沙莉)とは名律大学女子部で出会う。男装姿で無愛想。法律は“クズをぶん殴ることができる唯一の武器”と考え、たとえ自分に不利益があろうとも信念を曲げない。

「今まで女性らしい役が多かったので“自分にはたしてできるだろうか”という不安はありました。よねが女子部のみんなと違うところは恵まれない生い立ちで、すごくつらい過去を持っているところ。そんな“持たざる者”の逆襲じゃないですけど(笑)、常に時代を懸命にはい上がっていくところがよねにはあると思います」

 寅子にかけるきつい言葉は、よねの愛情表現。

「学生時代から“うっとうしい”と言うよねに対し、トラちゃんが“よねさん、よねさん”と構わずくる様子は、ふたりが仲良しの証拠だと思っています。よねが“うるさい”“アホ”って言うシーンを読み解くと、結局、よねがうれしいとき、照れているとき、そして(受けた)指摘が図星だったときなんですよね(笑)」