目次
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ー リポーター・阿部祐二の代名詞
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ー 相撲部屋からスカウトも  一番にこだわったスポーツ少年 ー スポーツ少年が一転、猛勉強して進学校へ
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ー 早稲田大学在学中にスカウト  芸能界へ ー 生涯のパートナーとの出会い
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ー リポーター仕事との出合い ー 毎朝、新聞5紙を読む
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ー 代名詞となった“台風やらせ”リポート疑惑 ー 生死をさまよう事故に  東日本大震災の十数時間前だった
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ー 挑戦は終わらない。さらなる高みへ─

「加藤さん、事件です!」

 日本テレビ系情報バラエティー『スッキリ』で毎朝おなじみだったこのセリフ。視聴者の心をわしづかみにし、事件リポーターとして誰もが知る存在となった阿部祐二(66)。もともとは'06年の番組スタート時に、演出家からキャラづけのために指示されたものだったという。昨年3月に『スッキリ』は終了したものの、「事件です!」は今や彼の代名詞だ。

リポーター・阿部祐二の代名詞

会見現場でも阿部さんの華やかさは健在
会見現場でも阿部さんの華やかさは健在

「よくほかのリポーターたちに『自分のワードを持っていてずるい、絶対かなわない』と言われるんですよ。最初のころはわからなかったけど、今は大きなものをいただいたなと、ありがたみを感じてます」

 このセリフとともに、さまざまな事件を届けてきた彼のリポートスタイルは、世間の人がイメージするものとはかなり違う。下調べや現場での取材交渉など画面に映らない部分を自ら行うことはもちろん、無理強いしない低姿勢で丁寧な聞き方、相手が子どもでも敬語で話す謙虚さ。

 相手の心に寄り添うような人間味あふれる姿から、災害現場で被災者から相談を受けることも珍しくない。さらにはネイティブクラスの英語力で海外取材もお手のものだ。

 現在の主戦場は、昨年4月から出演しているTBS系情報番組『ゴゴスマ』。午後の情報番組の中でも最近、視聴率がひときわ好調だ。

「少ししか協力できてないかもしれないけど、数字がいいとやっぱりうれしいですね。『ゴゴスマ』は、『スッキリ』の色がついていた僕を“うちでやってください”とすぐに迎え入れてくれた。その恩は忘れないし、まだまだ返せてないなと」

 そんな彼の究極の目標は、リポーターを究めること。

「やっぱり“たかがリポーター”ではあるんですよ。でも僕は“されどリポーター”にしたい。『俺は“されど”だぞ』という存在を目指しています」

 かつては現場で新聞など報道の記者たちから「おい、ワイドショーのリポーターが来たぞ」と意地悪く言われた。だが、“絶対におまえらに負けない”と心に誓い、数々のリポートでそれを証明してきた。今では「あ、阿部さんが来た」と言われるまでになったが、阿部はそこに安住しない。まだ伸びしろがあると、日々、努力を重ねている。

 負けず嫌いで、常に一番を目指す。彼の生きざまは、どのように育まれたのだろう。半生をたどってみると─。