負担とはすなわち税金。私たち大多数の国民からすれば、生活が楽になっているわけではないから増税は受け入れがたい。
「イシバノミクスは何ですか?」
どこからその税金を取るかについて、石破首相は株式の売却益など金融所得への課税強化を訴えていた。
「金融所得への課税強化は無理です。3年前に岸田前首相が打ち出して株価が大幅に下落する事態を招き、撤回した経緯があります。例えば企業の合併は株の売り買いですから、売却益が減ると合併するメリットがなくなってしまう。個人投資家にしても、儲けを確保するまで株価の動向を見守ることにつながるので売買自体が減ります。これでは市場が活性化しません」
かつて有馬さんは、石破首相に、
「イシバノミクスは何ですか?」
と、経済対策を質問したことがある。それに対して、
「オレはね、そのナントカミクスっていう言い方が嫌いなんだよ」
と答えたという。
石破首相は、国会での論戦を経たうえで、なるべく早い時期に解散・総選挙で国民の審判を仰ぐ意向を示している。選挙後に増税ラッシュとならないよう注視する必要がありそうだ。
有馬晴海 政治評論家。国会議員秘書を経て独立し、テレビ、新聞、雑誌などで活躍。著書に『「有馬理論」総理大臣になる方法』『政治家の禊』など