国民的アニメ『ドラえもん』の主人公・ドラえもんの声優で知られる、大山のぶ代(本名・山下羨代=やましたのぶよ)さんが9月29日、老衰のため90歳で亡くなったことを所属事務所が発表した。
「'63年の舞台『孫悟空』で共演した俳優の砂川啓介さんと翌年、結婚。順風満帆な仕事とは裏腹に、32歳のときに授かった第1子は妊娠7か月目に死産。38歳のとき生まれた第2子も妊娠7か月に未熟児で生まれ、先天性の心臓と肺の疾患のため生後3か月で死去するなど、私生活は悲しい出来事が続きました」(スポーツ紙記者)
「種無しスイカの会」の由来は
俳優座養成所の同期で、デビュー作であるドラマ『この瞳』(NHK)で共演し、デビュー後4年半ほど同居していた冨士眞奈美が、大山さんの知られざる素顔を語ってくれた。
「大山さんと'17年に亡くなった夫の砂川さん、毒蝮三太夫さん夫婦は“種無しスイカの会”というグループを作ってよく会っていたんです。“子どもが欲しかったけど、恵まれなかった”のが会の名前の由来です」
大山さんは2人の子どもを亡くした後も、子ども好きは変わらなかったという。
「本当に子どもが大好きで。私の娘のことも、実の子のように可愛がってくれましたね。映画に連れて行ってくれたり、高級キャビアを食べさせてくれたことも。娘も母親のように慕っていたので、娘も大山さんが亡くなったことにかなりショックを受けています」
冨士も、大山さんが老人ホームに入所後は会えていなかったことをこう悔やむ。
「'12年に認知症を発症してからは会えずにいました。ただ大山さんの年齢的に会えるうちに会っておかないと……とずっと思っていたんです。共通の知人である毒蝮さんを通じて近々、老人ホームに伺おうと思っていた矢先の訃報なので、会いに行けなかったことが本当に悔やまれます」
国民的キャラクター『ドラえもん』を通じて、多くの子どもたちを笑顔にしてきた大山さん。天国では先に旅立った2人の子どもと、年下夫と笑顔が絶えない日々を過ごしていることだろうーー。