「でも、(一面は)大谷なんでしょ?」

 もちろん冗談めかした口調ではあるものの、担当記者にはチクリと刺さる言葉のようだ。

日シリが「一面」とは断言できない葛藤

地区優勝を決め、真美子夫人とデコピンと記念写真を撮った(大谷翔平のインスタグラムより)
地区優勝を決め、真美子夫人とデコピンと記念写真を撮った(大谷翔平のインスタグラムより)
【写真】大谷翔平の“愛息子”を穏やかな表情で抱き抱える真美子夫人

「スポーツ紙もWebニュースがメインとなりつつある時代ですが、今も昔も“一面”を飾ることは選手のモチベーションにもなっています。また球団とは日頃の付き合いもありますし、時に“特ダネ”を教えてくれる恩があるのも事実

 それだけに担当記者として日シリを推したいのは山々なんですが、今年に限っては“もちろん一面ですよ!”とは断言できないもどかしさと申し訳なさもあるわけで(苦笑)」(前出・記者)

 なるほど、大谷が出場するWSとプロ野球の同日開催は、特に出場チームに思い入れのある担当記者にとって心苦しい現場取材にもなっているわけか。そんな記者の一存で翌日の“一面”が決まるわけもなく、どちらが“売れる”試合なのか、各社の判断も透けて見えそうだ。

 ちなみに10月29日の日本シリーズ第3戦を中継するフジテレビ。午前中にWS、夜にはプロ野球野球づくしの1日になるが、せめて日本シリーズの途中で「今日の大谷」を垂れ流すような無粋な演出をしてくれるなよ、と担当記者は思っているのかもしれない。