大注目の大谷ではあるが、現地で長年取材をする梅田香子さんによれば、このワールドシリーズで知名度や人気もさらにアップするという。
「移動や時差があり、選手側からすると大変ではありますが、東西の2チームが対戦するということで、テレビ中継は高視聴率が期待できます。これまでニューヨークなどの東海岸で大谷選手が出る試合が中継されるにしても、遠征で来たときくらいでした。今回のワールドシリーズでは毎試合中継され、これまで以上の人が見ることに。本当の意味で全米のスターの仲間入りを果たすことになりますね」
大谷にとって、2024年はまさに激動の一年だった。
「10年総額7億ドル(契約合意時のレートで約1015億円)という超大型契約でドジャースに移籍すると、キャンプ中だった2月に元バスケットボール選手の真美子さんとの結婚を発表。幸せなニュースがあったかと思えば、3月に韓国での開幕戦を戦った直後、通訳の水原一平被告が違法賭博に関わっていたとして解雇。その後の調査で大谷選手の口座から約1700万ドル(約26億円)を不正に送金していたことが発覚し、12月に水原被告に対して量刑が言い渡される予定です」(在米ジャーナリスト)
結婚で成績を落とした長嶋茂雄、落合博満
周囲の環境も大きく変化する中で、前人未到となる50本塁打&50盗塁の“50―50”という偉業を成し遂げた。
スポーツライターの小林信也さんは、シーズン前には結婚による“リスク”を語っていたが、今年の結果についてこう話す。
「開幕前は“活躍して当たり前”というような空気感がファンの間ではありました。なので“そんなに簡単ではない”ということを言い表すために、長嶋茂雄さんや落合博満さんなどの名選手でも結婚した次のシーズンは成績を落としていた事例をお話ししました。ですが、そんな心配を吹き飛ばしての大活躍で、まさに感服です。それだけ強い意志や使命感が大谷選手の中にあったのでしょう」