結婚相手を見た人はいなかった

駐在所の駐車場にあった澤田容疑者の軽自動車と大型バイク(編集部で一部加工)
駐在所の駐車場にあった澤田容疑者の軽自動車と大型バイク(編集部で一部加工)
【写真】澤田容疑者が個人で所有していたという大型バイク他、勤務していた駐在所の様子

 ただ、駐在所の近所では誰も結婚相手を見た人はいなかった。

「新婚なら一緒に住めばいいのにって。駐在所なら家賃や光熱費はかからないし、2DKほどなら1人じゃ広すぎるだろうし。それに、なんで多額の借金があったのかも不思議でね。あの駐在さんは、いくつか“謎”があったね」

 そんな男が、つい数日前まで警察官として何食わぬ顔で町の駐在所に勤務していた。

「駐在さんは、担当する地域の一世帯ずつ訪ねて、住民基本台帳と同じような『巡回連絡カード』を作っています。だから、貯金がありそうな独居老人や、歩行が困難な人や認知症の人がどこに住んでいるかもわかったうえで、“自分が代わりにお金を下ろしてきてあげる”と言って、今回みたいな犯罪が起きたのかと思うと怖いです。被害にあった男性は、この町内会ではないようですが」(近所に住む別の女性)

 澤田容疑者の逮捕後、駐在所の後任は決まっておらず、ガラス戸は鍵がかけられ、無人で中はガランとしていた。駐車場には、容疑者が所有していた軽自動車と大型バイクが残されたままに。

 町を守るはずの駐在さんだった容疑者が、その信頼を失墜させた罪は重い。