1962年からあったタレント候補批判
タレント議員に対して厳しい指摘が届きがちだが、「そうした存在は、50年以上前からいる」と八幡さんは説明する。
「1962年に、タレントだった故・藤原あきさんが参議院議員として当選します。この時代は、日本全体を一つの選挙区として扱う『全国区制』が導入されていたのですが、藤原さんはトップ当選を果たす。それまでも政治実績のない有名人候補はいましたが、学識経験者などが主流。知名度だけが取りえの候補が大量得票したことで、タレント候補への批判がわき上がりました」
好きなタレント議員は、そうした“タレント享受”を感じさせない活動を行っているともいえる。
第5位にランクインした「嫌いな」では6位の三原じゅん子氏には、「子宮頸がんワクチンの普及に尽力した。タレントから転向した政治家としては努力していると思う」(60歳・佐賀県・男性)といった意見が集まるように、元タレントであっても行動力があれば評価されることがわかる。三原氏は、2010年の参議院選挙で初当選し、これまで当選3回。こども政策担当大臣、少子化対策担当大臣などを歴任し、今ではベテラン政治家の風格すら漂いつつある。生稲氏を上手にリードしてほしい!
また、第4位の沖縄県知事・玉城デニー氏は、ラジオパーソナリティー、タレントを経て、2002年に沖縄市議会議員に初当選。その後、衆議院議員に当選すると4期を務め、2018年に沖縄県知事となる。実績があるため、「沖縄の良いところを発信してきたことに加え、軍備増強に異を唱える人がある程度いたほうがいいと思うので賛同できる」(51歳・福岡県・女性)といった支持が集まった。
また、3位の森田健作氏も、1992年に参議院議員に初当選すると、その後は文部政務次官などを歴任するまでに。千葉県知事選挙では一度苦杯をなめるが、二度目の挑戦(2009年)で当選。「地元の千葉を盛り上げてくれて、今の人口増加の礎を築いたと思う」(53歳・千葉県・男性)など千葉県民からも評価されている。