変更の大きなポイントは4つある。
常に自分に投資する気持ちを忘れないでほしい
1・ 非課税期間が撤廃
「従来は、非課税期間は一般NISAが5年、つみたてNISAは20年と限られていました。だから期間内に売却するか、それを過ぎてしまったら課税口座に移管する必要がありました。しかし新NISAでは、非課税期間が無期限になったため、長期的な視点で投資をすることができます」
長期での運用が可能になったことは、老後資産の形成を目的にするためにも使いやすくなった改正だといえる。
2・ 非課税投資枠が拡大
「従来のつみたてNISAの年間投資枠が40万円だったのに対し、新NISAのつみたて投資枠は120万円に拡大されました。さらに、成長投資枠として年間240万円の投資枠が追加されたため、より積極的に投資をすることができるようになりました」
ただし、通算の運用資金の合計が1800万円までとなっていて、年間の枠をフルで使うと5年でいっぱいになることには注意。
「つみたて投資枠で老後資金を着実に積み立てながら、成長期待の個別株やアクティブな投資信託で攻めの運用もできるようになりました」
4・ 売却をしたら翌年に売却分の枠が復活
「資金需要や利益確定で新NISA口座にある資産の売却をした場合は、翌年、売却分の購入原価分の枠が復活します。例えば、100万円で買ったものが120万円になって、住宅の頭金のために売ったら、翌年100万円の枠が復活します」
売却したら、そこからまた老後資金の備えに向けて枠を使うということも可能に。
「新NISAで、政府は本気で国民に貯蓄から投資へという流れを進めようとしています。よく国家ぐるみで国民をギャンブルに誘導しているというネガティブな発言を聞きますが、私はそうは思いません」
ニクヨさん自身は、海外への投資よりも国内に目を向けているという。それは国内経済が活性化し、日本の社会がより良くなってほしいという思いもあるという。
「投資したお金で、日本企業が頑張って、付加価値の高い製品の輸出が増えたり、世界におけるウェブサービスのプラットフォーマーが出てきたりするといいなと思っています。私はかなり楽観的なシナリオを抱いていますが、国内にお金が回らないことには実現しないので」
経済や投資について精通しているニクヨさんだが、ただお金を得るだけでなく、働くことの経験も大切だと話す。
「ライフステージが変わっても、常に自分に投資する気持ちを忘れないでほしいです。将来への不安があるかもしれないけど、“働き続ければ、なんとかなる”が私の持論。大切なのは年をとっても価値が減らない自分をつくり続けること。そのほうが楽しいし、自分を大事にしていると後悔が少ないですよね」