還付金詐欺が増加、偽サイトにも注意
具体的にはどのような特殊詐欺があるのか。対策も含めて教えてもらった。
「年末に増えるのは還付金詐欺です。『12月末までに対応しないと還付金が戻らない』など、区切りをつけて揺さぶりやすいのが理由の一つ。
役所の人間だと偽って、税金や保険料の払い戻し手続きをするからとATMに行かせ、ウソの操作を伝え、お金を振り込ませます。スマホだけでお金の送金ができる、インターネットバンキングを利用した還付金詐欺も増えています」
国民生活センターに寄せられた還付金詐欺の相談は、約95%が60歳以上。親には「役所から還付金の電話がかかってきたらそれは詐欺」と、改めてしっかり伝えよう。
「最近増えているのは、SNS型投資詐欺。有名人を利用した、なりすましアカウントや偽の投資広告を利用した詐欺です。
今年の11月には、70代の女性がこの手口により約8億円をだまし取られた事件が話題になりました。インスタグラムの偽広告から、経済アナリスト・森永卓郎氏になりすましたLINEアカウントと友だち登録をするように誘導されたのです」
偽の森永氏とその仲間からのメッセージで、月85%の利益が出る金融取引を持ちかけられ、女性は最終的に8億円をも支払ってしまった。
森永氏本人はそもそも「SNSを一切やっていない」と公言していたが、高齢の親世代では、そのような情報収集は難しい。有名人の偽アカウントは簡単に作れると、親世代には伝えたい。
最近増加しているもうひとつの手口は、「警察官をかたる」詐欺。
「息子や娘を名乗るオレオレ詐欺だけでなく、最近は警察を名乗って資産状況や個人情報を引き出し、指定の口座に振り込ませたりする事例が増えています。LINEのアカウントを聞き出すなどして、ビデオ通話で警察手帳を見せてくるので信じてしまい貯金額などを教えてしまうのです。
ほかにも、総務省をかたり、『現在通話している電話は2時間後に通話不能となるので、急いで電話料金を支払え』と音声ガイダンスが流れる詐欺電話も」