利用するのは独身者だけではない。“既婚者専用”も増え、現在、国内で運営している会社は10社以上、利用者は100万人以上、最も会員数が多いサイトでは累計マッチング数が700万件を超えるという“触れ込み”で業界が活況を呈している。

中高年女性が注意すべきは「年下男性」と「ときめき」

 身分証明書の提示がないと登録できない、24時間のサイトパトロールをする、といったトラブル予防措置がとられているとはいうが、

既婚サイトの浮気が見つかって離婚訴訟となるケースもありえます。家事や育児にまで影響が出たり、ストーカー行為にまで及んだりしないよう、自制するという点がアプリを利用する際の一番の注意点でしょう

国内のオンライン婚活・恋活マッチングサービスの市場規模予測※ユーザーがサービスの利用に支払う利用金額の推計年間合計額をもとに算出。消費者庁(三菱UFJリサーチ&コンサルティング:マッチングアプリの動向整理)より
国内のオンライン婚活・恋活マッチングサービスの市場規模予測※ユーザーがサービスの利用に支払う利用金額の推計年間合計額をもとに算出。消費者庁(三菱UFJリサーチ&コンサルティング:マッチングアプリの動向整理)より
【写真】急成長中! 婚活・恋活マッチングサービスの市場規模予測グラフ

 中高年女性が“沼る”例として1つ目は、「相手が年下」のケース。

アプリやサイトでは、年上好きも多く、好意を寄せられるうちに有頂天になってしまう。お金や身体目的だとしても、そこに気づけずに、これが最後の恋愛とばかりに抜け出せなくなるのです

 そして「ときめきを思い出させてくれる」が2つ目のケース。50代後半以降の世代は、若かりしころをバブル期とともに過ごした。

 育児や介護が一段落して自分の時間を楽しめるような年代になったとき、男性からの外食やドライブなどのお誘いは「ダンナからはそんな提案はないし、一緒にどこかに行ってもときめかない。私だって、ちょっとくらい楽しんだっていいよね」という免罪符となる。

 異性からの甘い言葉や、自己肯定感をくすぐるような褒めワード。うっとりしている先に待ち構えているのが「リスク」だ。

イラストはイメージです
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 消費生活センターによると、マッチングアプリで知り合った人から暗号資産やFXなどの投資をすすめられ、送金したところ、相手と連絡が取れなくなるといった相談が多く寄せられているという。

 メッセージ交換の段階で外部リンクに誘導され、個人情報を抜き取られて架空請求されるといった被害や、会ったこともない相手に何十万円も振り込んでしまったケース。相手の身元を特定するのが難しく、お金を取り戻すのは極めて困難だ。

リスクを踏まえたうえで、もしアプリを試してみたいと思うなら、相手からお金や投資の話が少しでも出た場合は、すぐに連絡を絶つこと。会う前からLINEのIDや個人や家族の情報につながるものを渡さないこと。住んでいる場所も明確にしないこと。初対面では個室の居酒屋や密室になるカラオケボックスなど2人きりになる場所を選ばない、いきなりドライブに行かないなどの対策をしましょう