メーカーも努力しているものの…

 これまでにないほどの価格高騰を続けるキャベツ。天井は一体、どこになるのか?

「3月頭から、春キャベツが出荷されるようになるので、そのころには少し落ち着いてくるとは思います。ただ、平年並みの価格というわけにはいかず、平年の2倍弱くらいで落ち着くのではないでしょうか

 カット野菜のメーカーも容量を減らしたり、輸入量を増やすことで価格を上げない努力はしているが、

そもそも、すべてのコストが上がっているんです。輸入にしても輸送にかかるガソリン代も上がっていますし、円安傾向も続いています。気候変動以外にもたくさん問題を抱えていて、これまで価格にそういったコストを乗せてこなかったということもありますが、もう限界でしょう」

 これまでの“当たり前”が通用しなくなっている、と松平さん。コストが上がり作り手の収入は減る、ということで平年どおりの価格にはすぐ戻らないだろうと予測する。

「日本では野菜に関して、指定野菜というものを14種類決めています。日本列島の地形を生かしてタイミングをずらして生育させ、年間通して出荷できるように“リレー出荷”をしているのです。

 キャベツもそのひとつですが、予測できない気候変動が相手では……。国や農家も高温に強い品種を栽培するなど、対策をしているのですが、変化のほうが早くて対応しきれていない状況ですね」

 食料自給率が38%と低い日本。気候変動の影響で、この自給率ももっと下がることになるのかも─。