食間のおやつで血糖値を安定させる
では、かくれ低血糖を防ぐにはどうすればいいのか。
「まず、食べすぎや早食いは血糖値の乱れを引き起こすので、腹八分目を心がけ、ひと口30回を目安によく噛んで食べてください。ただし、かくれ低血糖の人は食欲を理性で止めるのが難しいので、食間におやつを食べるのがおすすめ。朝食と昼食の間や夕食前の夕方、夕飯の時間が早い人は寝る前に糖質を少しとること。血糖値が乱れにくくなり、早食いや食べすぎの予防につながります」
おすすめのおやつは、血糖値の上昇がゆるやかな干し芋、甘栗など、でんぷん質の食材だ。
「甘栗なら1回に2~3個をよく噛んで食べること。またゴルフボール大のおにぎりや、100パーセントフルーツジュースを少しずつ飲むのもあり。ただし、肝臓に負担をかけるブドウ糖果糖液糖が入ったジュース類や、糖質の多い炭酸飲料は避けてください。とはいえ、0カロリー飲料もNG。脳は糖分をとったと認識しても血糖値は上がらないため混乱が生じ、結局血糖値の乱れを引き起こし、甘いものが欲しくなります」
食事では、タンパク質の多いおかずから食べるのも有効だ。
「血糖値の上昇を防ぐ目的で野菜から食べるベジファーストが推奨されていますが、少量だと食物繊維はほとんどとれない上に、ドレッシングの糖質で血糖値が上昇し、低血糖を引き起こします。タンパク質を先に食べることで、血糖値が急上昇しにくくなるため、ひと口目はおかずを食べることをおすすめします」
かくれ低血糖の症状が思い当たる人はこれらの予防策を試してほしいが、リラックスして過ごすことも血糖値の安定には欠かせないという。
「血糖値は緊張によっても上がるため、かくれ低血糖が疑われる場合は心身をゆっくり休める時間を持つことが大事。せっかちな人は常に身体が緊張状態で、食事を変えても血糖値が安定しにくいんです。日常の中で特に食事の時間など、リラックスすることを心がけてみてくださいね」