──水魚の交わりとはこのこと。一方で、良い友人に恵まれるとは限らない。自分を疲弊させる存在とはどのように付き合うべきか。二人の縁の切り方とは?

物事は新しくしないと忘れられない

西原 昔付き合っていた彼氏が、私がやっとの思いで買った4万円もした高級鍋を派手に焦がしたことがあったのね。でも、「わりぃ。ごめんな」しか言わなくて。まだ使えるから、その後もずっと使っていたんだけど、使うたびにずっとそのクソ男の顔が目に浮かんでいたのよ。同時に、そいつと別れられなかった自分にも腹が立って。

 ある日、やっと捨てて鍋を新調したら、彼のことをすっかり忘れることができた。そのときから、物事は新しくしないと忘れられないとわかったんだよね。

岩井 理恵子ちゃんは、あまりに昔の恨みを忘れないから、(西原さんのパートナーである高須クリニックの)高須克弥院長から指摘されたことがあるんだもんね。

西原 「遺伝子に恨みが刻まれてる」って言われた(笑)。高須先生は科学の人なので、日夜新しい技術を覚えて、新しいもので刷新する。

 そんな先生が言っていたんだけど、古い傷があったら、いつまでもその傷とつけた人や環境を覚えているって。ところが、その傷をきれいにすると、すべてなかったことに思えると。

岩井 人間の脳って、都合良くできてるなー。

西原 だからね、古いものや汚いものをいつまでも取っておくと、そのループから抜け出せなくなる。友達、男、家族に悩まされているなら、新しくするしかない!

岩井 そう! 昔の嫌な記憶がよみがえってくるときって、私もめちゃめちゃ体調が落ちてるときなんだよな。私の場合、今の夫の前に付き合っていた韓国男ね。そいつのことを思い出したときは、体調が悪い(笑)。

西原 憎かったりつらかったりする映像を、自分の中で反すうしている人が多い。つらい目に遭わされた故人のことを憎み続けるよりは、そこらへんのヤギにでも生まれ変わってると思うようにする! 

 生きているなら、なるべく思い出さない。思い出すと、負のループに陥るだけ。そもそも、人と人のつながり合いってそんなに大事かなって思う。