アメリカで憧れの選手に出会う
アメリカでは大きな出会いがあった。18歳のとき、憧れのウェイクフィールド選手と対面する機会に恵まれている。
「メジャーのトップのキャッチャーでも捕れないくらいの球で、変化の幅がすごかった。本当に驚きました」
挑戦は続く。渡米2年目、ハワイの米独立リーグ「マウイ・イカイカ」に入団。米独立リーグ史上2人目の女性勝利投手という快挙を果たす。
「17歳で独立リーグに入り、何度かマウンドで投げるチャンスもあったけど、なかなか結果を残せなかった。
そこで、投球を変えようと考えて。それまで横から投げていたけれど、上からの投球に変えています。これでダメなら諦めようと思っていました」
米独立リーグの活動期間は6月〜8月の3か月間。その他の期間は「兵庫ブルーサンダーズ」に籍を置き、日米を3年間にわたり行き来した。ナックルボールを武器に、身一つでチームを渡り歩いた。
「自分からは絶対にやめない、という気持ちがありました。最初に兄と独立リーグに挑戦してからずっとそう。入りたいのに入れない人もいる、自分からやめるのは失礼だと思った。
どこか採用してくれるチームがあれば行く。その間は続けようと思っていました」
2016年、日本に拠点を戻し、栃木に誕生した「栃木ゴールデンブレーブス」に入団。しかしケガに悩まされ、出番なくシーズンを終えた。
「最終的に、クビという形で切られました」
退団翌年、栃木の女子硬式野球部「エイジェック」から声がかかる。女子野球という新たな世界に飛び込んだ。
「こんなに野球好きな女子がいたんだと、女子もこれだけできるんだと感じて、一気に女子野球が好きになりました」