絶賛、苦言……XGファンの間でも反応はさまざま
この「キスシーン」映像が公開されるとファンの間では驚きとともに絶賛の声も上がったが、同じく異を唱えたのもファンであった。
《XGの作品大好きだけど、今回のクィアベイティングは残念》
《賞賛するコメントが多いけど、それこそがクィア、特にレズビアンの性的消費じゃないのか》
《セクシュアリティの明言なしにこうした演出はNG》
《百合営業!?っていう言葉もあるけど、そういったセンシティブなものを売り物にするのはいかがなもの?》
このような意見に対し、目くじらを立てすぎだとする声や、このような意見がファンの中から出る「自浄作用」があることを誇りに思うというもあった。また、XGはLGBTQ+当事者のファンも多いが、当事者からは「MVが出るまで待とう」など、静観する意見も出ている。
問題なのは、メンバーではなく「プロデュース」
XGはそもそもルックスや楽曲など、メンバーの多様性や自主性を最大限に活かした魅力を持つグループである。しかしメンバーのセクシュアリティが明言されているわけではない。
そして、以前より楽曲『TGIF』などクィアな世界観を取り入れているという指摘もされてきていることから、こうした方向性がメンバー主導であるとは考えづらいことで、これは「プロデューサーであるSIMON氏の責任だ」とする声もある。
問題のMVの全編が公開予定されていたのは3月7日の18時。全編を見たら印象が変わるのではという声と、ティーザーでこの「ほぼキスシーン」を出したこと自体が問題だとする声が入り混じっており、公開が待たれていたが、予定の時間にオフィシャルアカウントより発表されたのはMVの公開延期であった。
「このたび、より完成度の高い作品をお届けするため、誠に遺憾ではございますが、公開スケジュールを変更させていただくこととなりました。楽しみにお待ちいただいている皆さまには、深くお詫び申し上げます。まずは楽曲をお楽しみいただき、後日、さらに磨きをかけたミュージックビデオをお届けできるよう、現在鋭意制作を進めております」(XG Xオフィシャルアカウントより)
公開延期は今回のクィアベイティング騒動が原因なのか、それとも……。ちなみに公開日時時点では、まだティーザー映像を観ることは可能である。
今年5月14日に、東京ドーム公演も決まったXG。グローバルに活躍するアーティストなだけに、注目度の高いトピックになっている。
<取材・文/美女川満子>