生きた菌のいる発酵食品が腸の健康を高めるカギに
腸内の免疫バランスを整えるためには“腸活”で腸内環境を整えることが必須。腸活には運動やマッサージなどもあるが、オススメはやはり腸にいい食事をすること。
「食生活は変えやすいですし、食事はすべての基本になるからです。腸のためにはリンゴやバナナなどの果物やごぼうなどに含まれる食物繊維や、発酵食品、あとはオメガ3脂肪酸のEPAやDHA、亜麻仁油などの油を積極的にとり入れるのが有効です」
腸活といえば食物繊維が有名だが、それだけでは不十分で、さらにヨーグルトや納豆などの発酵食品をプラスすることが大きな意味を持つという。
「食物繊維は腸のエネルギーになったり、便のカサを増やしたりする以外に、“短鎖脂肪酸”という免疫を整える成分を作り出す大事な働きがあることがわかってきました。短鎖脂肪酸を作るには3つのステップがあるのですが、まず、体内に取り込んだ食物繊維やオリゴ糖は納豆の納豆菌や糖化菌と呼ばれる菌によって“糖”に変わります。
次にヨーグルトや腸内にいる乳酸菌やビフィズス菌によって糖から“乳酸”や“酢酸”に変化します。そしてそれらは、複数の腸内細菌によって最終的に酪酸やプロピオン酸などの短鎖脂肪酸に変わります。
ヨーグルトをはじめとする発酵食品がなぜ大切なのかというと、このように食物繊維から短鎖脂肪酸を作るにあたって大事なサポート的な役割を果たしているからなんです」

2番目のステップで、乳酸菌やビフィズス菌などが足りなければ糖から次のステップに変化することができずに、そのまま体内に吸収されるため太る原因にもなってしまうかもしれません。では、乳酸菌やビフィズス菌を含む食品としてオススメなものはなんだろう。
「ひとつは生きた菌が入っているヨーグルトですね。ほかにも乳酸菌は漬物やキムチ、味噌なんかにも入っているものが多いです。特にキムチや漬物で、時間が経つと酸っぱくなるものがありますが、それは菌が生きている証拠なので、そういった生きた菌が入っているものを選ぶのがオススメです」