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オンラインカジノによる被害は未成年者にも広がっている(写真はイメージ)
吉本興業に所属するお笑いコンビ『令和ロマン』の高比良くるまを含む芸人10人ほどが、オンラインカジノで違法に賭博をした疑いで、警察から任意の聴取を受けていたことが報じられた。
プロ野球では、複数の選手が利用していたことが明らかに。東京五輪の銅メダリストで男子卓球の丹羽孝希選手は、海外オンラインカジノで違法に賭博をしたとして、賭博罪の疑いで書類送検された。
オンラインカジノは今、日本社会で深刻な問題となっている。知られざる、その現状や疑問点を取材した。
オンラインカジノって犯罪なの?
まず、日本における賭博の歴史を解説するのは、オンラインカジノ問題に詳しい静岡大学の鳥畑与一名誉教授。
「もともと日本は、賭博を禁止してきた歴史があります。賭博に依存して、一家のお金を使い果たして家庭が破綻するなど、有害なものとみなされてきました。
明治40年に法律でいっさいの賭博が禁止されたのですが、戦後に、競馬などは公共性がある、つまり税収が増えるとして刑法の適用が除外されるように。パチンコは、あくまで賭博ではなく、遊戯であるという建前で広まっていきました」
要は、日本政府が認めているギャンブル以外は、すべて違法ということ。警察庁のホームページにも
《海外で合法的に運営されているオンラインカジノであっても、日本国内から接続して賭博を行うことは犯罪です》
《バカラ、スロット、スポーツベッティング等、その名称や内容にかかわらず、オンライン上で行われる賭博は犯罪です。絶対にやめましょう》
と記されている。違法に賭博を行った場合、50万円以下の罰金または科料、常習性が認められた場合には、3年以下の懲役に処される。

オンラインカジノについて警察から任意の聴取を受けた、お笑いコンビ『令和ロマン』高比良くるま(左、公式Xより)