がんリスクを減らす食事に気を使いすぎるのをやめる
がんは現代日本の主要な死因となっているが、その予防のための食事制限は必要ないという。
「重要なのは免疫力の維持です。食事制限やストレスは免疫力を低下させ、かえってがんのリスクを高める可能性があります。免疫力を高めるためには、好きな食べ物を楽しむことが大切です。身体が欲する食品に素直に従い、一般的に『悪い』とされる食品でも、欲する場合は無理に避ける必要はありません。
ただし、同じものばかり過剰摂取することは避けましょう。慢性型アレルギーを発症して身体の酸化を招くリスクがあります」
和田先生は4〜5年前、3回コロナウイルスに罹患したものの、いずれも無症状であったという。
「高血圧、糖尿病、心不全という基礎疾患があり、60代であったにもかかわらずです。これは、好きな食事やワインを楽しむことで維持された高い免疫力のおかげだと考えています」
無理のある過度な運動をやめる
運動は健康維持に重要だが、高齢者の場合、激しい運動はかえって有害な場合がある。
「運動のやりすぎは活性酸素を増加させ、老化を促進する可能性があります。高齢者に適した運動として、水中ウォーキングが推奨されます。水中では関節への負担が少なく、体温調節機能の維持に効果的です。
また、日常的な散歩も効果的な運動方法。適度な運動量で、日光浴による骨粗鬆症予防やセロトニン分泌促進効果が期待でき、うつ予防にも効果があります」
特筆すべきは、家事の重要性だという。買い物、調理、掃除、洗濯などの日常活動は、それなりの運動量を確保し、外出の機会を創出する。
「ひとり暮らしの高齢者の方が家族と同居している人より長生きだといわれています。これは、家事を自身でこなすからというのも理由のひとつ。筋肉の維持につながり、免疫機能の向上を促進するとともに、生活リズムもつくれます」