脂質とビタミンAで内側からもケア

「日々の食事からできる対策も。肌の潤いのもとになる細胞間脂質は脂質からつくられるので、良質な油を摂取することが大事です。サラダには、オメガ3が豊富なエゴマ油やアマニ油。加熱調理には、熱を加えても酸化しにくいオリーブ油やコメ油を適度に摂取することを心がけてください。最近ではダイエットで過度に脂質を制限している人もいますが、肌の保湿力が低下するので、皮膚科医としてはおすすめできませんね」

 肌の潤いをアップさせるには、ビタミンA、C、Eをとるのも効果的。

 「中でもビタミンAは抗酸化の王様といわれ、レバーやうなぎ、卵、アーモンド、ニラなどの食品に豊富に含まれます。サプリメントで補うのも効果がないとはいいませんが、基本は食事からとることを推奨します」

 また、自律神経の乱れも肌のゆらぎにつながるため、ストレスを遠ざける工夫も大切だ。

 「春は年度替わりに伴い、自分や家族の生活環境が変わるなどで、気づかぬうちに小さなストレスをためがちなので意識してリラックスタイムをつくるのが大事。私は読書や植物の手入れ、料理などで息抜きをしていますが、お笑い番組を見る、好きな音楽を聴くなど、心が解放されることなら何でもいいです。普段から、これなら気軽に気分転換ができるという楽しみをいくつか見つけておきたいですね」

 それらの楽しみに加え、身体を適度に動かすのも、ストレス発散につながる。

 「例えば家事の合間に肩を回したり上下に動かすといった軽いストレッチだけでもいいので、身体をゆるめる時間を設けるのがおすすめ。その際に、いつもより深めに呼吸をすると、副交感神経が優位になり自律神経のバランスが整いやすいので試してみて。

教えてくれたのは●慶田朋子先生…東京女子医科大学卒業後、同大皮膚科助手等を経て2011年、銀座ケイスキンクリニック開設。最新の美容テクニックを駆使し、肌トラブルの改善に努める。著書多数。

取材・文/伊藤淳子