衝撃を与えた2008年の事件
中でも2008年の事件は衝撃を与えたという。
「兵庫県で1歳9か月の男児が祖母から与えられた、ポーション型の凍らせたこんにゃく入りゼリーを喉に詰まらせ、搬送から約2か月後に亡くなった事故は大きな社会問題に発展しました。遺族は製造元に対して損害賠償を求めて提訴。企業側の安全対策が不十分だったとして、製品の危険性とその周知不足をめぐる責任が問われたのです」(前出・食品ライター)
その後、このメーカーは国民生活センターの指導により、外袋のみならずカップのシールにも警告マークをつけたり、原料のこんにゃく粉を減らして軟らかくするなど対応に追われた。
「今回のメーカーに落ち度はありませんが、過去に訴訟にまで発展した重大なケースを考慮すると、テレビ番組で軽々しく“美味しい食べ方”として紹介することには慎重さが求められます。メディアには、美味しさだけでなくリスクにもきちんと触れる姿勢が必要です」(前出・食品ライター)
“懐かしのおやつ”の裏に潜む、深刻なリスク。再び悲劇を繰り返さないためにも、視聴者とメディア双方の意識が問われている。