「音楽と演技」二刀流と相互作用
山村の連ドラ出演は、『突然ですが、明日結婚します』('17年)以来、8年ぶり。昨年は『風の奏の君へ』で映画初出演を果たした。今、演技への熱が高まっているのだろうか?
「人の心や人生を考えたり、理解したり、想像したり。それは100%はできない。でも、そこに対する姿勢はすごく大事にしたい。演技を通すことで、作っていく音楽にそういったものが表れることは多くて。だから、自分の中の新しい扉を開けてくれるものが演技なんですよね」
例えば、愛。すごく温かいものだけど、現実に負けることもあれば、面倒くさくて窮屈なものでもあると語る。
「みんなどこかでそんな矛盾を持っているとしたら、それに陽を当てるものが演じることなんだと思う。“愛って素晴らしい”というひと言で終わらせない影の部分。それをちゃんと理解できたときに初めてちゃんとしたラブソングが書けるんじゃないかな」
flumpoolとしては5年ぶりのフルアルバムを3月にリリース。5月にはZeppツアーが始まる。音楽活動と俳優活動の二刀流について聞いてみると、
「一刀流もちゃんとできていませんけど(笑)。
ふたつのことをやっているような気もするけど、音楽も演技も根本は人を理解すること、想像することだと思うので。歌詞を書いていたら、やっぱり自分と向き合うし。価値観、過去、理想に及ばない現実。演じることも、やっぱりこの役が持つ理想と現実がある。そこへのアプローチは、そんなに変わらない気がしています」
40代、ここで自分は挑戦するべき
1月に40歳を迎えている。
「40代っていうのはすごく大人なようで、やっぱり大人じゃないですね(笑)」
今後、どんな自分自身でありたいと考えているのだろう?
「20代、30代と比べるとエネルギーが欠けていくような気がしたんですけど、“40代なんてまだまだ若かったね”っていう先輩方がすごく多くて。そうなると、ここで自分は挑戦をするべきだと思う。このドラマもそう。
10年後、20年後……改めてこの年齢の持つ価値に気づくとしたら、先輩方の言葉を大切に、ちゃんと歌を軸に持ちながら、いろんなものにチャレンジしたいなと思っています」

『MADDER その事件、ワタシが犯人です』 毎週木曜深夜放送 (カンテレ0時15分〜/フジテレビ2時15分〜)(C)カンテレ
取材・文/池谷百合子