ミュージカルファンはもちろん、ディズニーファンも開幕を待ちわびていた劇団四季『アラジン』。劇場は連日満席で、カーテンコールではスタンディングオベーションが鳴りやまない……。すでに来年いっぱいのロングランも決定しているこの作品、楽曲の日本語訳詞を担当したのは、あの『アナと雪の女王』で『Let It Go~ありのままで~』の訳詞も手がけた高橋知伽江さんです。
今回、物語で重要なシーンで歌われる『新しい世界―ア・ホール・ニュー・ワールド』の日本語の詞について、高橋さんについて直撃しました。
「歌詞を日本語訳するときは、いつも1度聴いただけでわかる、わかりやすい言葉を使うことを心がけています。歌には曲の“カギ”になるフレーズがありますよね。この曲だと“ア・ホール・ニュー・ワールド”と歌う部分ですが、ここには4つの音しか入らない。普通に訳せば“すべてが新しい世界”ですが、このままではメロディーに乗りません。
私は、ジャスミンの気持ちになって考えて“自由よ”という日本語をつけました。父親や身分に縛られていた彼女が、初めて解き放たれ、“今、私は自由なんだ!”という喜びと感動をお客さまにお伝えしようと思ったとき、この言葉だと思いました。
言葉を訳したというより、ジャスミンの気持ちを訳したという感じですね」
(撮影/坂本利幸)