“奇跡の健康アーティスト”こと己抄呼先生。彼女が自ら考案し、教えているカキラとは、別名“ろっ骨エクササイズ”。
「美や健康を損なう大きな原因は背骨のひずみにあると考えています。背骨がひずむとほかの部位に悪影響を及ぼし筋肉のこりや血行不良を生むんですね」
簡単に言うと、ろっ骨を動かすことで背骨のひずみを直し、健康&美容効果を得るもの。通常の筋トレやストレッチは筋肉へのアプローチだが、己抄呼先生が注目するのは、筋肉ではなく、ろっ骨や背骨などの骨や関節。カキラのレッスンでは、ろっ骨を動かすとなぜ背骨が整うかを、模型を使ってわかりやすく解説する。
己抄呼先生は、スポーツ分野で多くの実績を持つ夙川学院高校で、水泳のインターハイ選手として活躍。卒業後は、スポーツインストラクターとして実績を積み、業界では一目置かれる存在だった。身体への興味は並々ならぬものがあったようだ。
「足首をケガしてしまい切開手術をしたのですが、自分の骨や腱がどのようになっているのか知りたくて。モニターに映し出された手術中の自分の足首を、観察していました(笑い)」
そんな己抄呼先生が、常日ごろ感じているのが、一般的に伝えられる健康法や美容法の大きな間違い。
「骨のつき方、関節の動き方など、身体の構造からみると、逆効果になるものもあります。例えば“ヒップアップにはお尻をキュッと締めなさい”とよくいいますよね。筋肉が硬くなり締まった感じがするからでしょうか」
しかし解剖学的には、これは逆効果だという。
「骨が間違った方向に動いているんです。実はお尻を締めると骨盤が後傾して、垂れ尻になってしまうんですよ! ヒップアップ効果を狙うなら、お尻は締めるのではなく、むしろ緩めて開いたほうがいいんです」
自分の骨盤が後傾になっているかどうかを知る方法は?
「足を少し開いて、つま先立ちしてみましょう。かかとが上げにくくふらついてしまえば、骨盤が後傾になっている証拠。逆にスムーズに上げ下げできるなら骨盤は正しい位置にあるということです」
こうしたチェック法がわかるのも、身体の構造を熟知している己抄呼先生ならでは。ついでながら、ヒップアップ効果につながる正しい方法を聞いてみると……。
歩き方でいえば、踏み出し足ではなく蹴り足を意識すべきというのが己抄呼先生流。さらに足指の力が落ちて、踏ん張ることができないと垂れ尻のリスクが高まるのだそう。だから、足指の踏んばる力をつけることも肝心だという。
己抄呼先生は、全国各地で行う講演でニュートラルな姿勢の重要性をより多くの人に伝えていきたいのだとか。
「モデルさんたちには腰痛持ちが多くいます。これは姿勢が問題。胸を張った姿勢はろっ骨の位置が上がり、腰が反ることに。その結果、負担がかかり腰痛につながってしまうのです」
姿勢といえば、洋式トイレで座る姿勢も重要だという。和式トイレの場合は、自然に骨盤の位置が排便しやすい角度になるが、洋式トイレは腰が丸まり、骨盤が中途半端な位置になってしまうのだとか。
「つまり洋式トイレの場合は姿勢を少し変えるだけで、残便感なく出し切ることができるんですよ」