30秒で血液は全身を1周する

 “朝30秒だけ”というのも、重要なポイントだ。正座すると、約30秒で血液が全身を1周する。加えて、ストレッチ効果が出てくるのは、筋肉がやわらかくなる20秒過ぎから。20秒以降に筋肉は伸びていくのだ。

 そのほかの注意点は、

就寝前の正座は避けましょう。自律神経が活発になって眠れなくなります。朝は筋肉がこわばっていて血流も不足ぎみなので、絶好の正座タイム。女性なら化粧しながらやれば時間も節約できますよ

 詳しいやり方は、下のイラストを参考に。簡単に思えるが、やってみると思った以上にキツイ。

最初から実践できる人は10人中1人程度です。かかとは離れやすくなるし、太ももやふくらはぎの内側はしびれるし、左右の足の差を感じる人もいるでしょう。これは、足の筋肉の血流が悪くて硬くなっていたり、左右の筋肉の硬さに違いが出ていたりする証拠なのです

 まずは、『準備1』『準備2』で足指を伸ばしてから始めるとよい。

「それでも痛くて正座できない人は、お風呂の中でやってみて。浮力がきいて座れるようになるでしょう」

 たった30秒で、全身の血流がよくなって、筋肉のこわばりがとれ、腰痛が治る─正座には一石三鳥の効果があるのだ。

【準備1】運動不足の人は足首が硬いので、まずは準備からスタート。左右のひざ頭をなるべくくっつけて、ひざ立ちになる。左右のかかとをつけたまま足の指を立てる。
【準備1】運動不足の人は足首が硬いので、まずは準備からスタート。左右のひざ頭をなるべくくっつけて、ひざ立ちになる。左右のかかとをつけたまま足の指を立てる。
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【準備2】尻のくぼみ(骨盤底筋)をかかとにのせるイメージで、尻を下ろしていく。そのままゆっくりと足首と足の指に体重をのせて、関節をしっかり伸ばす。
【準備2】尻のくぼみ(骨盤底筋)をかかとにのせるイメージで、尻を下ろしていく。そのままゆっくりと足首と足の指に体重をのせて、関節をしっかり伸ばす。
【実践1】左右のひざ頭、かかとをできるだけくっつけて、ひざ立ちになる。この時、できればふくらはぎもくっつける。
【実践1】左右のひざ頭、かかとをできるだけくっつけて、ひざ立ちになる。この時、できればふくらはぎもくっつける。
【実践2】尻のくぼみにかかとをはめ込むイメージで、ゆっくりと尻を下ろす。そのままの姿勢で正座を30秒キープ。このとき、左右のかかとをくっつけることを意識して。
【実践2】尻のくぼみにかかとをはめ込むイメージで、ゆっくりと尻を下ろす。そのままの姿勢で正座を30秒キープ。
このとき、左右のかかとをくっつけることを意識して。
このとき、左右のかかとをくっつけることを意識して。
【実践3】尻を持ち上げて再びひざ立ちになり、片足を立ててゆっくりと立ち上がる。すると、背骨は美しいS字カーブを描き、下肢から全身へと血流が巡っている状態になる。
【実践3】尻を持ち上げて再びひざ立ちになり、片足を立ててゆっくりと立ち上がる。すると、背骨は美しいS字カーブを描き、下肢から全身へと血流が巡っている状態になる。


※監修/金聖一先生 ●柔道整復師、聖和整骨院院長。(株)Body Healthcare Room SEIWA代表取締役。著書に『「30秒の正座」で腰痛が治る』(ダイヤモンド社)

※イラスト/本山浩子