■対策1 働く汗腺を増やす
「汗とは本来、無臭で皮膚の雑菌や垢などが反応してニオってしまうんです。しかし汗腺の機能が低下すると、汗の濃度が高くなり、重炭酸イオンや尿素などが含まれる“ニオう汗”となります」。汗腺の機能を高めるには入浴がいちばん。下図のように酢を入れた風呂で手足を温める汗腺トレーニングや、有酸素運動で血行をよくして、質のよい汗をかくようにするのが◎。
(1)浴槽に43~44度のお湯を、1/3~1/4の高さに張る
(2)バスチェアを置いて座り、前かがみになってひざ下・ひじ下を10~15分つける
(3)毎日続けるうちに、手足だけでなく、全身の休眠していた汗腺が活発に働くように!
■対策2 食事でカラダの内側から改善
皮膚の出口が詰まると、汗腺の中にある皮脂腺で活性酸素が発生し、過酸化皮膚の発生の原因となる。これは皮脂を酸化させ、脂肪酸やアルデヒドのような体臭成分を生む。「皮膚の酸化を抑える抗酸化作用のある食物は、ビタミンC(イチゴ、ゆず)、ビタミンE(うなぎ、アーモンド)、カテキン(緑茶)、ポリフェノール(赤ワイン)、イソフラボン(豆乳)などが有効です」
⇒疲労臭を抑える食材
疲労臭は、肝臓の機能低下により発生するので、肝機能を高めるためには、オルニチンやクエン酸を含む食材をとると軽減につながる。オルニチンはしじみ、クエン酸は梅干しやレモン、お酢などに多く含まれる。「食事と同時に、疲れやストレスをためこまず、適度な睡眠、飲酒を心がけてください」
■対策3 消臭グッズの正しい使い方
消臭剤は殺菌剤が入っているので、使いすぎると常在菌まで殺してしまいす。また、制汗剤を背中や胸、腕や首すじに使うと、必要な汗をかけず熱中症の原因に。わきや足だけに使ってください。
(取材・文/中尾巴 イラスト/柏屋コッコ)
〈お話を伺った先生〉
五味クリニック院長・五味常明先生 ●昭和大学医学部卒業。昭和大学形成外科などで形成外科学、多摩病院精神科などで精神医学を専攻。医学博士。体臭多汗研究所設立。著書に『気になる口臭・体臭・加齢臭』などがある。