■水分摂取の適量とタイミング
早田院長によれば、人間が1日に最低限必要な水分摂取量の目安は食事などでとる分を合わせて2.5リットル〜3リットルほど。
「基本的に健康な人は、特に注意する必要はありません。バランスのとれた水分摂取を心がけるのは当然で、1日2~3リットルまでの水分摂取にとどめましょう。自分の欲求に反して、無理に水分をとらないこと。“自分の身体に正直に”が一番です。
発汗過多に対しての水分補給では、塩分を含む飲料水などを摂取し、『低ナトリウム血症』が起こらないように対応しましょう。スポーツドリンクによっては塩分量、糖分量が足らないものもあるので、経口補水液がおすすめ。1リットルのペットボトルに塩3グラム、砂糖40グラムをまぜると作れます」
塩アメや梅干し、塩そのものなどを意識的に摂取することも効果的な手立てになる。
水分の摂取のタイミングについて百々院長は、「のどが渇いた時に飲む、でいいと思います」ときっぱり。その根拠を、
「スポーツの世界では、『のどの渇きを感じた時には脱水になっている』といわれて積極的に水分の補給がすすめられてきましたが、最近では『のどに渇きを感じてから飲む』に変わってきています」
摂取の注意点の次は排泄について。再び、早田院長。
「人間の膀胱は、250ミリリットル以上たまってくると尿意を催してきます。1日の尿量目安は1.5リットルですから、1日に6、7回はお手洗いに行くのが平均でしょう。『水中毒』を懸念するのであれば、少ない人は自発的に行くように心がけてみてください」
〈プロフィール〉
東京・大手町アビエスクリニック 早田台史院長
がんを中心とした救急専門外科医として活躍。「都会の中の保健室」を目指しクリニックを開院、患者の幅広い悩みに応える。
神奈川・こどもの木クリニック 百々秀心院長
カナダやアメリカでも経験を積み約30年間、小児科専門医として研究・治療にあたる。「正確な診断を下し、適切な治療を」がモットー。