いまや2人に1人がかかり、3人に1人が亡くなる「がん時代」に突入。身近な病気であるわりに、デマや噂に惑わされないで本当に役立つ情報を見つけだすのは難しい。そこで、がんに詳しいスペシャリストたちに話を伺った。
・ソーセージを食べると大腸がんになる?
「これはホント。ただし日本人の場合、その可能性は低いと思います」(ロンドン大学の小川徹先生)
WHO(世界保健機関)の関連組織『国際癌研究所』がソーセージやハム、ベーコンなどの加工肉について発がん性があるという衝撃の調査結果を発表。肉食文化の欧米のみならず、一時は日本のメーカーでもソーセージの売り上げが落ちるほどの騒ぎに。
「摂取量が多いほど、がんの発症リスクが高まるとされています。しかし、そもそも日本人は欧米に比べて加工肉の摂取量が少ない。この発表がそのままあてはまるわけではありません」(小川先生)
この報告によれば、50グラムの加工肉を毎日食べることで、大腸がんのリスクが18パーセント増加すると指摘している。50グラムはソーセージ3本くらいが目安。
・ポテチには発がん物質が入っている?
ポテトチップスや黒糖菓子に多く含まれる化学物質『アクリルアミド』に発がん性があると、スウェーデン政府をはじめ国際機関による研究で明らかに。
「その研究は動物実験しか行っておらず、ヒトにおける安全性は、まだ確認されていません。毎日、大量に食べ続けなければ問題ないでしょう」(医学博士・植田美津恵先生)
アクリルアミドとはどういうものなのか? ベストセラー『がんにならないのはどっち?』の著者・秋津壽男先生がこう解説してくれた。
「『アスパラギン』というアミノ酸の一種と糖類が120度以上の高温で加熱されたときにできる物質、それがアクリルアミドです。ポテトチップスだけでなくアミノ酸が含まれる食品を高温で調理したものには、すべて含まれています」
カリカリにトーストしたパンやクッキー、コーヒー、意外なところではほうじ茶にまで含まれているとか。