rogo

 昨年2月、テレビのワイドショーに出演し、重度の肝硬変であることをカミングアウトした林葉直子。こけた頬、腹水で膨れ上がったお腹、やせ細ってしまった手足と、画面に映し出されたその姿には、多くの人々が驚愕した。

「う〜、これでも太ったんだけど(苦笑)。38キロまで減ったときはもっとひどかったのね。ホントにガイコツ女でしたから(笑い)。今は48キロで、やっと見られるようになったと思ってテレビに出たんだけど、みんなを驚かせてしまったようですね、本当にすみません!」

 意外にも明るい声で語り、よく笑う彼女。

「でも、けっこう元気ですよ。ちゃんとひとり暮らしして、愛鳥の世話もしてますので。そりゃあ、日々の生活は、多少は大変なこともありますよ。朝はこむら返りで痛タタタ! って叫びながら起きるのが日課だし、食事をすれば歯茎から出血。あと、皮膚が薄くなっているので、少し歩いただけで足の皮がズルッと剥けます。でも、病人だからそんなものですよ」

 壮絶な日常でも「慣れてしまえばやっていける」とカラッと言い切る。棋士時代から攻めの将棋を信条とし、数々のスキャンダルも乗り越えてきた彼女にとっては、たとえ肝硬変であっても恐るるに足らずなのかもしれない。

 女流のタイトルを欲しいままにしていたころのように、最後の最後に逆転勝ち。ファンはそうなることを心から望んでいる。

「将棋の世界には鬼手というものがあって、常識はずれのとんでもない一手のこと。それを探して最後まで生き抜きます。それが私の生きる棋風ですから」