1021_TV_今日は会社休みます

 職業モノが定番になりつつあった昨今のドラマ業界。しかし今期は恋愛モノの増加が目立つ。綾瀬はるか主演の『きょうは会社休みます。』(日本テレビ系)は人気漫画が原作。また石原さとみ&松下奈緒がW主演を務める『ディア・シスター』(フジテレビ系)は『アナ雪』で人気のWヒロインものだ。

 そんな綾瀬作品が好スタートを切った理由を、コラムニストの今井舞氏はこう分析する。

「綾瀬のドラマは、恋愛慣れしていない処女が出てくる逆のベクトル。福士蒼汰演じる年下の男に迫られ、玉木宏演じる年上のハンサムなお金持ちに興味を持たれても、“こんな私に言い寄るなんておかしい”と心の中で焦りまくって、勝手に自己完結するという奥手なところを、綾瀬のかわいさで全部押し切るという。これを見た男性は綾瀬をかわいいと思うだろうし、お父さんはこんな娘がいたらいいなと目尻を下げる。女性は、素敵な人に言い寄られるシチュエーションを楽しめるし、かつて自分の中にあったウブな感情を思い出したりするという、“誰が見ても得をする作り”になってるんですよ。まだまだ忙しい週の真ん中の水曜の夜に、合成着色料まみれのギラッギラな沢尻より、優しいおかゆような綾瀬のほうがホッとするということが視聴率の差になってるんじゃないですかね」

 また今回はキスなどのラブシーンが戻ってきていて、「絶望的なドラマ界に少し光が見えたかな?」と感じているとも語る。

「綾瀬も初回、ホテルで朝を迎えて処女を失ったシーンを演じていましたし、『ディア・シスター』(フジ系)でも石原さとみが濃厚なディープキスやベッドシーンやってるんですよね。恋愛ドラマでラブシーンが描かれないとリアリティーないだろってずっと言い続けてきて、ようやく気づいて……って『昼顔』がブームになったからってことなんでしょうけど(笑い)。でも、ドラマとして当たり前の演出をするのは大事ですよ」