この仕事が本職だと子どもが教えてくれた
いまだから言える子育ての大失敗は? と尋ねると、こんなエピソードが。
「ジュマが健康やったからララにアレルギーがあると思わなくって。ある日、離乳食を用意してあとは旦那さんに任せて仕事に出たら慌てて連絡がきて、“ララがご飯ひと口食べたらみるみる顔が腫れあがったんやけど初めての食材あるか?”って。それで卵アレルギーが発覚したんやけど、以来“俺が食べさせるときは新しい食材入れんといて”って。旦那さんの自信をなくすきっかけを作っちゃって、あれは失敗やったな」
夫婦円満でも知られる松嶋さん。旦那さんへの精神的ケアも、その秘訣のよう。
「ふと見たときにジュマとララと旦那さんが3人で楽しそうに遊んでいると幸せを感じますね。もし子どもに愛情が足りないと思うような旦那さんやったら、夫婦生活にとっくにピリオド打ってたと思う。家族や子どもを大切に思っていることがわかるから、一緒に育てられるんです。うちは共働きだからお互いに助け合える部分もあるのかもしれないですね。
それから、子どもたちが保育園とかスクールにちゃんと通っているのを見ると、私もちゃんと仕事せなあかん!って思うんです。独身時代、実はこの仕事を本職だと思ったことがなくて職業欄に“自営業”って書いてたんやけど、いまははっきり“タレント”って書けるようになった。仕事をして子どもを養っていくという気持ちが明確になったんやろな。早起きも料理もそうやけど、子どもたちが成長させてくれたことはたくさんあります」
■ライターが見た著者の素顔
「無農薬野菜とか無添加食品とか、食品に限らずこだわりだすとキリがない性格でした。でもララの完了期も終わってアレルギー検査でも問題ないと言われたし、お正月に家族でハワイに行ってのんびり過ごしていたら、柵がバンとはずれたようにラクになったんです。それで外食、外食! ララ、ジュマ中華行くで〜♪ って(笑い)」と松嶋さん。
何かにこだわる一方で手を抜く時は抜く、バランス感覚にすぐれた、柔軟でたくましい女性だなぁと思いました。
(取材・文/若山あや)