震災後、復興作業員たちは地元の飲食街に出向いたが、今は滞在先で部屋飲みをしている人が増えたという。以前よりも飲食街に人は流れていない印象だ。
飲食店の従業員の確保もひと苦労だ。
「震災後に出店したチェーン店のほうが高時給。でも、店の従業員の時給を上げると、お客さんの財布に影響するので、上げられない」(岩手県・スナックのママ)
宮城県内では仙台市に次いでシングルマザーの数が多い石巻市。地理的な要因で被災差が色濃く残され、家計を苦しくさせる。
借家暮らしだった斉藤明美さん(43=仮名)は大規模半壊扱いとなり、現在は借り上げ住宅に住む。家賃は仮設住宅同様に発生しない。被災者扱いとなり義援金も出た。ただし今後、復興公営住宅に移り住めば家賃が発生する。
一方、アパート住まいの佐々木裕子さん(45=仮名)は床下浸水扱いだが、玄関や1階押し入れのものはカビが生えて使えなくなった。ただ、法的な“被災者”ではないため義援金もない。
特に離婚によるシングルマザーは、行政には自己責任とされ支援の枠組みからはずれがち。復興にはほど遠い。