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 約42年にわたって放送されていた『水戸黄門』。1227話の平均視聴率22.2%、最高視聴率は43.9%(ともにビデオリサーチ調べ、関東地区)という国民的な人気の時代劇が、3年半ぶりに復活。6月29日、夜9時からTBS系で放送される。

 背景には黄門さまとの再会を望む多くの視聴者の声があった。さらに、

「もう1度、水戸光圀を演じたいという里見浩太朗さんの熱い思いがありました」(白石統一郎エグゼクティブプロデューサー)。

 佐々木助三郎、渥美格之進を演じるのは、原田龍二と合田雅吏。2人は里見黄門に仕える助さん、格さんを最も長く演じている。

 ムードメーカーの八兵衛(林家三平)、女性ファンが多い風車の弥七(内藤剛志)、ピンチを救う柘植の飛猿(野村将希)も健在。おなじみのメンバーが勢ぞろいしての撮影は、

「まるで昨日別れて今日会ったかのように、ブランクをまったく感じさせることなく、瞬時に役柄に溶け込んでいました。スタッフもみな同じ気持ちで、ご老公一行との仕事を心から楽しんでいました」(白石EP)

 物語は、徳川綱吉(植草克秀)の次期将軍の座をめぐる争いに巻き込まれた光圀が、将軍内定者の徳川綱豊(永井大)を連れて助さん、格さん、八兵衛と旅立つところから始まる。

「江戸~甲府~大坂~高松と、舞台が変化するロードムービーの要素、そして、それぞれの土地で出会う豪華ゲストをお楽しみいただけます」(白石EP)

 一行の旅の目的は、世間知らずな若殿の綱豊を成長させること。

「成長を描く過程で、家族の情、父子の関係、主従の絆など、日本人の心に響く普遍的なテーマを扱っています。また、ひとりの人間として、親として葛藤する光圀も描いていますので、ご注目ください」(白石EP)

 このドラマの撮影が行われたのは、4月上旬から約1か月。期間中は雨が多く、スケジュールの変更も何度かあったという。

「印象的だったのは、紀伊国屋文左衛門役の津川雅彦さんを迎えての往来のシーンです」(白石EP)

 本降りの雨の中、一瞬の晴れ間を狙っていたが、なかなか降りやまない。

「夕刻せまる午後、誰ひとり控室にこもることなく、現場でひたすら待機していました。あと数分待っても好転しなければ中止といっていた矢先、みんなの願いが天に届いたかのごとく、奇跡的に雨があがって撮影できたのです」(白石EP)

 笑いあり涙あり、スリルありで、予想外の展開も用意されている。

「“予想は裏切るが、期待は裏切らない”。そんな感想を持っていただけるよう腐心しました。時代劇の面白さ、そして、人間ドラマを堪能していただけたら」(白石EP)