多くの女性たちの支持を集める芸能人は、いわば"時代の顔"。人相科学研究の第一人者で国際キネシオロジー大学アジア代表理事の石丸賢一さんによれば、
「人気タレントの変遷を見ると、時代ごとに、どのような女性像が求められていたのかわかります」
例えば、吉永小百合は銀幕出身のスターにふさわしい正統派美人。日活の看板女優として’60年代に旋風を起こしたのもうなずける。
「彼女はとても美しい顔立ちで、世界にも通用するもの。美人の黄金比である、額から眉、眉から鼻下、鼻下からあごまでがちょうど1:1:1になっています。さらに、顔の縦の長さと横幅が8:5。これも美人の条件です」
誰もが視線を奪われる美人をスターと崇めていた時代を経て、『花の中三トリオ』やキャンディーズがデビューした’70年代、アイドルブームの’80年代にかけて"隣のお姉さん"的な親近感が求められるように。
「黒目が大きいパッチリ目が流行り始めます。美人顔よりずっと幼い印象ですが、黒目の大きさは感情表現が豊かな証。より人間らしい顔を時代が求めていたということなのです」(前出・石丸さん、以下同)
’90年代に誰もがマネをした安室奈美恵の顔は、特に眉毛が印象的。
「アムラーがこぞってマネをしたアムロ眉は、人相科学でいえば、眉頭から眉山の頂点までは逆ハの字、眉尻までは緩やかなカーブという2つの眉型のいいところを合わせた最強の眉毛なのです。逆ハの字は自然と華やかな注目を浴びる反面、目立ちすぎて損をすることも。アーチ型の眉毛はキツい印象を和らげて、親近感を相手に持たせることができ、敵意をむき出しにされることを防ぐことができます」
そして現代。これといった傾向がないと石丸さん。
「代表的な顔や傾向が各時代にありましたが、吉永さんのような飛び抜けた美人を時代が求めていないように感じます。どちらかといえば、まつげエクステ、二重まぶた、ぽってりした唇などに見るような、部分美の追求が始まりました。みんなが同じようなパーツの美しさを目指すようになりました」
AKB48のようなアイドルグループが流行し、際立った美人が人気の条件ではなくなってきている。
「チーム力重視のため、みんな似たようなメークや衣装に身を包みます。その中で輝くには個性がいちばん重要。時代は誰もが憧れる美人から、誰にもマネできない個性が生きる顔へと、芸能人の顔に求める条件が変わったのです」
個性派フェイスの人気者が生まれる日も近い!?