「炒め野菜に発がん性物質のリスクあり」という最新研究が内閣府より発表された。実は、栄養たっぷりの野菜であっても、調理法次第で毒にもクスリにも変わってしまう。
がんによくない食材だとわかっていても、牛肉や豚肉も食べたいし、便利な加工食品だって時短料理に活用したいのが、主婦の本音。
「肉を食べるときは、野菜や果物も多くとって“毒消し”をすれば大丈夫。生野菜、果物に含まれる消化酵素を一緒に摂取すれば、代謝を促し、老廃物を排出することにつながります」(西台クリニック院長・済陽高穂先生)
がんは、体内で生成される活性酸素の大量発生で引き起こされる。少しでもリスクを下げるには、抗酸化作用のある“ファイトケミカル”を摂取したい。がんの芽となる活性酸素を除去することが、がんの予防・改善を促す重要なポイントになるのだ。
「ファイトケミカルとは野菜の色や苦み、渋みの成分のもとになるもので、にんじんのカロテノイドやベリー類のアントシアニン、ポリフェノール、ごまのセサミノール、トマトのリコピンなどが代表的。毎日摂取することで、身体が本来持つ免疫力や代謝機能を取り戻すことができます」(済陽先生)
細胞の代謝を促進させ、健康維持に重要な役割を果たすカリウムを摂取するにも、野菜や果物は効果的。
「大量の野菜や果物を生で食べるのは難しいので、しぼりたてジュースにするのがおすすめ。すでにがんにかかっている人には1日1.5~2リットル程度飲むことをすすめていますが、病気の予防目的であれば1日300リットル程度で大丈夫です」(済陽先生)
ジュースの作り方、飲み方には、いくつかのポイントがあるという。
「ミキサーよりもジューサーがおすすめ。ミキサーは、カッターで野菜や果物を粉砕して混ぜ合わせるために栄養素が劣化しやすく、食物繊維がそのまま含まれるので大量にとりすぎて、腸に負担をかけてしまいます。食物繊維が取り除かれるジューサーのほうがいい」(済陽先生)
ジューサーのなかでも、低速回転式のほうが、より栄養素の破壊は少ない。朝昼晩、どのタイミングで飲むのがいいの?
「ジュースは朝飲むのがベスト。夜にたまった乳酸や活性酸素などの毒素を老廃物として排出してくれます。朝だけではたくさん飲めないという人は、夕方と2回に分けるといいですね」(済陽先生)
朝作ったものを夕方に飲むのではなく、その都度、しぼりたてを作って飲むことが大切。済陽先生自身、朝と夕方の手作りジュースを20年以上続けて飲んでおり、激務にも負けない体力を維持しているのだとか。
「注意したいのは、野菜や果物の農薬。できれば無農薬のものを購入したいですが、難しければ20~30分ほど水につけ、農薬を洗い流すことが重要です」(済陽先生)
免疫力を高めるには、きのこ類のβグルカンを摂取して小腸を刺激し、活性化させるのが効果的。βグルカンは特にしいたけに多く含まれ、積極的に摂取すると抗がん効果が高まる。
「腸内環境をいい状態に保つためには、乳酸菌などで善玉菌を増やし、悪玉菌を減らすことも大切です。ヨーグルトの乳酸菌や納豆の納豆菌など、善玉菌を摂取してください」(済陽先生)
水溶性の食物繊維であるひじき、もずく、わかめなどの海藻類に多く含まれる成分のフコイダンは、腸内環境を保ち、免疫機能を高める味方。がんを抑制する効果が期待できるという。