■移住ツアー婚からミスチル婚まで!?
イマドキの婚活はどんなサービスがあるのだろうか。真剣度と費用の高低を加味して図にしたのが上の表である。真剣度・費用ともにいちばん高いのが結婚相談所(お見合い)で、初期費用として10万円以上、成婚料などを含めると結婚までに40万円前後かかるのが普通。
ちなみに、最近のお見合いは仲人さんが相手を見繕う従来のスタイルから発展、複数の相談所同士がネットワークでつながり、会員を共有することで数万人の中から相手を探せるシステムになっている。
一方、ネットを通じて相手探しを行う「結婚情報サービス」は月会費3000~5000円台が中心。1回ごとに参加できるお見合いパーティーや街コンの参加費も女性は3000~5000円程度。よりカジュアルなスマホを使った出会いサービスは、女性無料を謳うところも多い。
だが男女の参加費に著しく差のあるサービスは、婚活には不向きな面もある。例えば女性の参加費が安価なものは、若い女性を呼び込みたいとの狙いがあり、結婚目的というより、単に「若い女性と知り合いたい」男性が多く参加する。
逆に、女性の参加費が高い「医師や弁護士など高収入男性」の参加を謳うパーティーは、男性の参加費が無料に近く、「好みの女性がいなかったら、また来ればいい」(36歳・歯科医)と真剣度の低い男性の参加が多くなる。
そのほか、参加した男女が親密になれるように、一緒に作業をする“料理婚”や“ワイン婚”、“ゴルフ婚”など趣味やスポーツを押し出したサービスや、お見合いバスツアーや地方男性との結婚を視野に入れた移住ツアーなども話題になっている。
さらに、異性と接するのが苦手な人向けに、好きなアニメについて語り合う“アニメ婚”や一緒にゲームをする“モンハン婚”、特定アーティストにちなんだ“ミスチル婚”なども生まれている。
■「出会う」から「知り合う」へ
しかし婚活サービスの種類が増えても、実際の結婚率は上がらない。'10年の国勢調査では50歳時点での未婚率を表す“生涯未婚率”が男性約2割、女性1割に達した。婚活に疲れを感じる人たちも現れており、「婚活疲れ」なる言葉も生まれるほど。
自身も婚活を経て、結婚相談所『きららマリッジ』を開いた山本結子さんはこう語る。
「婚活は受験や就活などと違って、いつまでにやめなければならないというものではないので、結果が出なくてもエンドレスに続けられる。だから、疲れがたまりやすい。また“お断り”の理由が本人に伝えられないので、自分のすべてが否定されたように思えてダメージを受けやすいんです」
山本さんはくじけがちな婚活女性を対象に、相談所の活動とは別に去年から『恋愛力アップ朝会』を開き、相談に乗り始めている。
悩む男女が増えたのは、婚活が長期化する傾向になったためでもある。その理由のひとつは、婚活を「出会いのツール」ではなくて、「人を選別するツール」のごとく扱ってしまう人がいるからだろう。人と人との関係は本来、時間をかけて築きあげてゆくものだが、1回で答えを出そうとする婚活では、相手を「いい」「悪い」の直感で一刀両断しがちになる。