とうとうタッキーもオッサンの部類に入ったのかと、『魔女の条件』を知る世代には感慨深かったです。巷で失笑を買っているエアギターシーンといい、こんな人物が副社長という設定の作品に提携を許可してしまったティファニーが不憫で。
実際に店舗にも行って確かめてみたんですが、店内にはタイアップのタの字もありませんでした(笑)。たぶん世界的ブランドの社史に残る汚点になるんじゃないかと。視聴側も制作側も出演者も、誰ひとりとしてせいせいできない、しょんぼりドラマ」
そして「、愛」のタイトルがかぶった『はじめまして、愛しています。』(テレビ朝日系)。
「重いテーマより、まずウザい妹役の坂井真紀が、これどっかで見たことあるなぁと思ったら、同じ遊川和彦脚本の『偽装の夫婦』で演じていた役とまったく一緒。わざとなのか、忘れてるのか。そんなことより本筋です。
特別養子縁組を描いていますが、子どもが欲しいとも思っていなかった尾野真千子と江口洋介夫妻が、たまたま紛れ込んできた子をすぐに養子に希望。里親になるまでの逡巡をすっとばし、1話目ですぐ決意という浅薄さ。
話を進める道具として里親制度を使っているだけ。今後はピアニストの尾野の奏でる音楽の力が、奇跡を起こしてどうこうっていう、予定調和な感動話になっていくと思いますよ」
『ON 異常犯罪捜査官・藤堂比奈子』:死体のキャリーオーバー
いつもは丸かぶりになりがちな刑事ドラマだが、今期は3つと少なめ。
「東山紀之の『刑事7人』(テレ朝系)は第2シリーズで、好きな方はどうぞといういつものテレ朝ドラマ。
今期から始まった高島礼子の『女たちの特捜最前線』(テレ朝系)は、高知東生の事件があったせいか、物見遊山の人たちで思わぬ高視聴率に(苦笑)。
高島が警察官でありながら、捜査に関係ない総務部のおばちゃんで、ある意味、情けない役柄だったので、視聴者から"あの人も大変ねぇ"と同情票が集まりやすく、雨降って地固まる結果になったのは幸いでしたね。
もしカッコいいキャリア役だったらと思うとゾッとします。宮崎美子と高畑淳子という脇も味わい深いですから、シリーズ化もありうるかも。
波瑠の『ON 異常犯罪捜査官・藤堂比奈子』(フジ系)は残虐な殺され方をした死体の描写が衝撃的ですが、本当に、ただそれだけ。波瑠演じる主人公の刑事は、犯人の内面を知ると"とても興味深い"とつぶやく怜悧なキャラ。最近のドラマは、決めゼリフを無理やり入れようとすることが多いけど、流行らないと見ていてつらい……。