そして、犯罪の内容も犯人もトリックも、大きな謎については伏線を張ったまま1話で完結せず。次回を見る気が全く起こらないガッカリサスペンス。
共演の関ジャニ∞の横山裕が先輩のベテラン刑事役で"関西弁の軽いアンちゃん役はもう卒業や!"みたいな意気込みが見て取れるんですが、無骨でコワモテな役どころは彼にはまだ早い気が。
ほかにも世間を震撼させる連続殺人鬼役に佐々木希と、なかなか背筋の伸びる配役で、未解決事件の恐ろしい死体だけが累積してどんどんたまっていくという、完全なるキャリーオーバードラマですよ」
ほかにも、お粗末と嘆きがあがったのが、堤幸彦監督・原案、向井理の『神の舌を持つ男』(TBS系)と、『時をかける少女』(日テレ系)。
「『神─』は小ネタが面白いでしょ? という堤ワールドをウリにしてますが、すべてが内輪ウケに終始してスベってる。舌にのせたものの成分が即わかる特殊能力を持つ向井と、佐藤二朗、木村文乃の3人組の旅が主軸なんですが、毎回、温泉街で車がガス欠→タダで1泊→入った温泉をなめる→事件解決の繰り返し。
このルーティンが面白いでしょ、このカオスがセンスいいでしょ、という押しつけだけが空回りして中身がまったく伴っていない。"堤ワールド"のブランドに寄りかかって、深く考察しないまま、見切り発車で作っちゃったんだろうな、という感しきり。
『時をかける少女』は切ない運命の初恋を通して、人生の中でとても短い"少女"という時間を描く、青春モノの金字塔なんですが。初恋とまったく関係ないクラスメートの身の上話や、学園祭の出し物の描写が延々と。
『時をかける少女』を名乗っているのにその世界観は皆無で、詐欺にでもあったような気分に。あらかじめ5話(8月6日放送)で終わるらしいですが、知らない人は打ち切りだと誤解するかも」