「鶴瓶さんの息子で俳優の駿河太郎さんも出演しました。9月11日から舞台公演がスタート、22日には映画も公開される勘九郎さん主演の作品『真田十勇士』にも、太郎さんは出演しています。
その縁あって勘九郎さんに誘われて歌舞伎座に立ったのかもしれないですね。鶴瓶さんも生前の勘三郎さんとは交友がありましたが、息子同士を引き合わせたことはないのだとか。不思議な巡りあわせがあるんですね」(芸能プロ関係者)
さて28日の千穐楽、『三部』最終演目の『浦里』終演後にはカーテンコールが行われた。慣れない演出と一向に鳴りやまない拍手に勘九郎、七之助らが困惑していると、花道を歩いて舞台に向かう2人の影アリ。そう、この日またも来場していた、タモリと鶴瓶による千穐楽ならではのサプライズ登壇だった。
グレーのジャケットに白いパンツ、かぶっていたハットをとったタモリ。そして黒のジャケットにハーフパンツを合わせた鶴瓶。
スタンディングオベーションで総立ちだった客席からは、より大きな歓声と拍手が沸き起こった。
「去年から落語として上演しているんですけども、こんなにも早く歌舞伎になるとは思ってもみませんでした。それにしても不思議ですね。だってコレ、落語ではひとりでやっているんですよ」
と話した鶴瓶。ことの“発端者”タモリも、
「吉原を特集したときに、自分も興味があって資料を調べていたら、この話のもととなった実話に会いました。それを落語か講談にできないか、と鶴瓶に話したら、“やるで”と。でも、こんなに早くこんなふうに歌舞伎になるとは驚きましたね」
自身が見つけた話を相棒が落語化、そして歌舞伎として多くの人を魅了したことがよほどうれしかったのだろう。最後にテンションが高まったのか、タモリが「あーいー!」と劇中の『禿』のまねをして爆笑をさらうと、同時に幕が下りたのだった。