──一美さんが注目する、おすすめの食材と期待される効能を教えてください。
「普通すぎるかもしれませんが、旬の食材を使って自分で作る、いわゆる“おうちご飯”が基本中の基本です。
栄養価の高い自然素材を人工添加物を入れずに調理することで、消化器に過度な負担をかけることなく栄養素を吸収でき、また、慢性的炎症を引き起こす可能性も減って、現代病全般の予防が期待できます。
これを前提に、日本でも手に入りやすい注目食材を3種類、挙げてみます。
① 卵
コレステロール値を上げるといわれたのは過去のこと。すべての必須アミノ酸を含む「完全タンパク」の優秀な食材で、アレルギーがない人には便利このうえなしです。
例えば、前夜のうちにゆで卵を作って冷蔵庫に入れておくと、慌ただしい朝も、しっかりタンパク質が摂れて、一日中、元気でいられる可能性が高くなりますよ。
② 青魚(イワシ、アジ、サバ、サケ、サンマなど)
言うまでもなく、現代の食生活に不足しがちなオメガ3脂肪酸が豊富な食材。
低脂肪が健康によいというのは、今は昔の間違った考えで、良質な脂肪は、太るどころか、むしろ痩身につながるくらいです。
中でもオメガ3脂肪酸は、多くの現代病の原因とされる「慢性炎症」の予防や緩和には持って来いで、それがダイレクトに吸収できる形で豊富に入っている青魚は、週3回程度は食べてほしい食材です。
魚料理が苦手な人は多いですが、この際、いくつか簡単なレシピを身につけてみてはどうでしょう?
③ 濃い緑色の葉菜類(ブロッコリー、小松菜、水菜、ほうれん草など)
ビタミンA、C、K、葉酸塩や鉄分が豊富で、しかも食物繊維にも富む優れた食材だと知っている人は多いと思います。
でも、意外に知られていないかもしれないのが、カルシウムも豊富だということ。
骨粗鬆症を心配して牛乳を大量に飲む人やサプリメントに頼る人も多いですが、むしろ、他のメリットもたくさんある葉菜類をもっと食卓に取り入れてみてはどうでしょう。
さっと蒸してからオリーブ油を回しかけ、しょうゆで味を整える食べ方など、簡単だし栄養価も損なわないのでおすすめですよ」
──摂取するのに要注意な食品と、その理由を教えてください。
「加工食品全般です。賞味期限の長い商品を大量に製造するには、さまざまな人工添加物を入れざるを得ず、また、成分や加工方法のために、店頭に届いた時点ですでに酸化しているものが多かったり、砂糖や果糖などの甘味料が過度に加えられていたりして、身体への負担は計り知れません。
砂糖は百害あって一利なしなので、アミリアが本の中で詳しく書いている中から自分に合った方法を選んで、できるだけ減らしていくようにしたいですね」
<プロフィール>
一美キンロス(かずみ きんろす)
イギリス在住の栄養療法士。日本在住者のために年2回の訪日セミナー、DVD販売、スカイプやメールを使った個別相談も行う。ブログ『本場イギリスの栄養療法士が教える「食べながら」綺麗に痩せる食事法』http://ameblo.jp/shoknav