NHK大河ドラマ『真田丸』も最終回まであと1か月! 今だから話せる裏話や、小道具に込めた思いがここに。それではおのおの、ぬかりなく──。
赤備えにワクワク!
ついに始まった大坂の陣。幸村(堺雅人)を名乗った信繁の活躍に色を添えるのが、真田勢が身につける甲冑“赤備え”。番組スタート当初から、堺は「いいおもちゃをいただいた感じなので、生き生きとやらせていただきたい」と、意気込んでいた。制作統括の屋敷陽太郎チーフプロデューサーは、
「美術スタッフ、渾身の作。堺さんは“重たい”と言いながらも、うれしそうでした(笑)。まさに堺さんならではの幸村像で、胴に刻んだ模様など、ちょっと西洋風で、豊臣を助けるために現れた中世の騎士のようなイメージもあると思います」
作中では秀頼(中川大志)からもらった金銀で、真田勢すべてを赤備えにしたという設定。
「撮影用の甲冑はレンタルのものを手直ししていますが(笑)、信繁のものは堺さんの身体で寸法をとった、完全な“オーダーメード”です」(屋敷CP)
いい意味で“バラバラ”
秀頼の呼びかけに応じた牢人たちの要となる“五人衆”。信繁を筆頭に、後藤又兵衛(哀川翔)、毛利勝永(岡本健一)、長宗我部盛親(阿南健治)、明石全登(小林顕作)。武芸に秀でた強者から、元は大名として一国の主だった者などさまざまな顔ぶれが。
「Vシネの帝王から舞台俳優、ダンサーなどと牢人衆のキャスティングは、バラバラな感じがいいなと思っていました。悪く言えば烏合の衆。でも、キャラクターがいろいろなジャンルから集まった感じにしたかった」(屋敷CP)
盛親を演じている阿南は、
「真田さん以外の4人も本当に個性的。祈ってばかりいるバテレンさん(明石)、愚痴ばかり言ってる又兵衛さん。クールに斜に構えていても嫌みを言う毛利さん(笑)。こんな濃いキャラの中で、自分が消えないように頑張っています(笑)」
生涯初めての城に込めた思い
徳川勢を迎え撃った、出城・真田丸。物語のクライマックスの中心となるだけに、ドラマの中で作られた真田丸は、スタッフたちの信繁に対するリスペクトが十二分にこもっている。
「“これで城持ちになれた”というセリフにもありましたけど、城を持てなかった信繁が、急ごしらえとはいえ唯一、作ることができた城はどんなものだろうと考えました。真田丸の研究で有名な千田嘉博先生とか、うちで戦術考証をやっている西股総生先生とか、うちの美術チームとともにさまざまな意見を取り入れて、絵的にも見栄えのいい最高のものを作り上げたと思っています」(屋敷CP、以下同)