こうした男性が50代に差しかかると、婚活市場にちらほら現れてきます。その背景として多いのが、奥さんと死別したケース。奥さんが早くに亡くなって、男手1つで子どもを育てていたものの、子どもが大学生になって手がかからなくなったので、結婚を考えるようになったというパターンです。
死別でなくとも、仕事三昧で家庭を放っておいたら、奥さんが子どもと共に出て行ってしまい、離婚したというケースも多いです。子どもとはたまに会っていい関係を築いているものの、この度成人したので、そろそろ結婚を考えようと思っている、なんていう男性も結構います。
つまり、こうした男性が50代で婚活市場に出てくるきっかけは、「子どもの自立」にあります。一緒に住んでいるか否かは関係なく、子どもが大学生になってはじめて、自分の結婚を考え始めるのです。
いずれにしても、バツイチ50代男性には逸材あり。中には、大企業の役員で高年収。趣味はヨット、好きなお酒はワインとブランデー、なんて“裕次郎人材”も平気でいます。裕次郎とまではいかなくとも、その年代の人は仕事熱心でまじめな人が多い。一度失敗しているから、奥さんにも優しくしようと思う。結婚相談所でもこうした男性を紹介されましたし、婚活パーティでもよく見かけました。
「お茶漬け女」には豊かな人生が待っている
かくいう私も「お茶漬け女」です。結婚相手は11歳年上の57歳。この話をすると、「すぐ介護じゃん!」と言われますが、最近の男性は健康寿命も長いので、さして気にしていません。私の周りにも、幸せそうな「お茶漬け女」がたくさんいますよ。50代の大学教授と結婚した40代女性は、いきなり2人の子持ちとなり、みんな独立していて普段は会うことがないそうですが、先日、孫が生まれたとか。突然おばあさんになる可能性もあるわけですが、家族は多い方が豊かな人生を送れます。
「中華料理女」になるか「お茶漬け女」になるかは、好みの分かれるところだと思いますが、どちらも最大のポイントは「売り手市場」だということです。婚活をしてもなかなか相手が見つからないという女性は、「相手の年収」か「相手の年齢」、どちらかの条件をとっぱらってみたらいかがでしょうか。
高嶋 ちほ子(たかしま・ちほこ)◎ビジネス書作家、編集者。上智大学卒業。放送作家として活躍後、角川書店(現・KADOKAWA)『東京ウォーカー』、リクルート(現・リクルートキャリア)転職サイト「リクナビNEXT」などの編集部に在籍し、3000人以上の会社員、1000人以上の業界トップに取材。著書に『プロ論。』『出世ドリル』など多数。キャリアカウンセラーの資格も持つ。