柄本&浅香、朝ドラ以来の大阪を満喫

 演技派の柄本と山谷の共演ということもあり、撮影は順調に進んだ。現場で俳優の芝居にNGが出ることはほとんどなかったという。

「演技に説得力があるんです。健斗もおじいちゃんも難しい役ですが、おふたりとも切羽詰まっている感じがなく遊びを残して演じているようでした。物語の中では緊張感があるけれど、撮影現場は和やかな雰囲気でしたね」

 撮影は大阪で行われた。柄本は『あさが来た』以来の大阪滞在。空き時間にはお気に入りの店に繰り出したという。健斗の友人で介護福祉士役の浅香航大も『マッサン』以来の大阪をなつかしんだそう。

「本作はモノローグで健斗の心の中を明かしていますが、1度ご覧になってから、2度目はおじいちゃんの側に立って見ていただくと、また違ったものが見えてくると思います。どちらの視点からでも、最後まで見ていただくと、不安や悩み事に光が差すような気持ちになれると思います」

“美しき獣”秋元才加の勇姿

 プロボクサーの三崎楓は、ドラマのオリジナルキャラ。健斗の行動に多大な影響を与える楓を演じるのは、秋元才加だ。

プロボクサーの三崎楓を演じる秋元才加 (C)NHK
プロボクサーの三崎楓を演じる秋元才加 (C)NHK
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「オリジナルキャラクターということもあって、ぜひ見ごたえのある人物にしたいと思っていました。秋元さんはもともと身体能力の高い方だと思っていましたが、想像以上。指導をお願いした元世界チャンピオンも、秋元さんのボクサーとしての身のこなしは本物だと褒めていました。シャープでキレのあるパンチは必見です。美しき獣の存在感に、ご注目ください」(谷口P)