「いつもニコニコされている人でね。お店の中で目が合うとニコッと笑い返してくれるんです。かまぼこと青柳の小柱をおつまみに、ビールとお酒をお銚子で飲まれていました。お蕎麦はざる、天ざるも召し上がっていましたね。
今年に入ってからも2、3度いらしております。病院の帰りで、少しつらそうにしていましたが、次にいらしたときはお元気そうに見えました。ですからこんなに早く亡くなったなんて信じられないです」
『新チューボーですよ!』(TBS系)でも紹介されたことがある蕎麦店、『神田まつや』にも今年に入ってなお来店していたようだ。
「プライベートでも全然飾らない、穏やかな方でした。お店でも静かに飲んでいらっしゃいましたね。焼き鳥などを召し上がってそれからお蕎麦を食べたり。がんを公表されてからも、やはり普段と変わらない様子でお酒を飲まれていました。もう自分の(身体の状態)ペースというものをわかってらしたんじゃないかな」
6代目の小高孝之氏は故人のこんなエピソードを明かす。
「いつだったか、“ちょっと飲ませてもらっていいかな”と開店前にいらしたんです。少しして、かまやつさんが出演された番組を偶然に見たんですけど、“今ここに来る前に、まつやに行って飲んできたんだよ”という話を夏木マリさんとされていて。あのときは収録前だったんだと、あとで納得しました。本当にいろいろとお世話になりました」
大人数を連れて来店したり、ほかのメディアでも同店を紹介していたという世話好きの一面もあった。
まつやから数十メートルの距離にある甘味処『竹むら』の『御ぜんしるこ(こしあん)』にも目がなかった。
かまやつさんと同い年の主人の堀田喜久雄氏によると、
「10年以上も前ですかね。夕方くらいに、ひとりでふらりといらっしゃって。いつも同じ席で静かに召し上がってお帰りになられていました。
私も道楽でボーカルをやっているものですから、初めてかまやつさんがいらしたときに内心は(うれしさは)ありましたけども、お客様ですからね。こちらからお声をかけることはいたしませんでした。お会計のときに“ごちそうさま”と、笑顔を見せられるのが印象に残っております」