「同居親が相手を憎んでいたり恐怖心を抱いていて“子どもを会わせたくない”という心理が働きます。そうすると、そんな親の気持ちを子どもが無意識に取り込んで“会いたくない”と言ってしまう場合が多いのです。その子どもの意思を尊重するのが司法なので、面会が難しくなります」(古市さん)
離婚したとはいえ子どもに会いたいと思うのが親心。愛するわが子との面会を果たすために必要なことは何か。
「焦らず平常心を持ち続けることが何より大事です。長期戦を覚悟し毅然と闘うか、機嫌を損なわないよう全面的に譲歩するか。前者だと係争が長引き何年も会えていないケースはザラ。後者だと相手のDV主張を受けとめた末、条件無制限の面会交流を勝ち取った例がまれですが過去にはありました」(西牟田氏)
面会交流を希望する親に共通して言えるのが、“親としての自覚が足りないこと”だというのは、前出の古市さん。“親の心構え”も大事だと指摘する。
「自分の感情やプライドを優先してしまい、“子どもにとって何が大事か”をなかなか考えられない親が目立ちます。
同居親は子どもを自分と一体化させてしまって子どもが両方の親を必要としていることを理解できず、別居親は威圧的な態度を取り、“暴言”などの精神的虐待とも言えるような方法で子どもをコントロールしようとするケースが少なくないのです。もうひとりの親を責めるのではなく“自分にも責任があること”に気づかなければ、いつまでたっても状況は変わりません」
大人の“反省”と“努力”が求められている。