“鉄は熱いうちに打て”ということわざがあるが、恋愛も結婚も出会ってお互いの印象が新鮮で気持ちがホットなうちにガンガン攻めていかないと、うまくいかないのだ。
「好条件」なのに、2度目の食事後にいつも振られる
公務員の武史(仮名・36歳)も、なかなか3回目の食事の壁が越えられずにいるひとりだ。
先日、彼と“交際”段階にあった女性の利用する相談室からメールが送られてきた。「お見合いをして、2度お食事をさせていただいたようですが、その後お誘いいただけず3週間が経ちました。吉井(仮名)から交際を終了させていただきたいと本日連絡がありました」。
ああ、またかと思い、夜、武史に電話をした。電話にしたのは、メールだと返信が遅いからだ。
「吉井さんの相談室から交際終了が来たけど」
「あ、そうですか」
「先週末、武史さんに『吉井さんとの交際はどう?』とメールしたときは、『順調です』と返してきたじゃない?」
「はい、また誘おうと思っていたんですけど、2回目の食事をした時に彼女が、『今すごく仕事が忙しい』と言っていたので、次の約束をいつ入れたらいいのか、タイミングを考えていたんです」
「メールは、ちゃんとしていたの?」
「ここ10日間くらいはしていません」
「10日間メールをしないで放置していたら、交際終了になるよ」
「あ、そういうものですか」
そこまで落胆した様子もなく、淡々と答えてきた。
公務員は、言うまでもなく人気の職業だ。その中でも、武史は10人いたら少なくとも半分の女性は“お見合いしてみたい”と思うような好条件。大卒で、都内のマンションにひとり暮らし。身長は175センチメートルあり、趣味は筋トレとマラソン。体脂肪率は15%以下で、精悍な顔立ち。実際、お見合いの申し込みは途切れることなく来ていた。自分が申し込んでも、受諾される確率が高い。
だからこそ、「これがダメでも、また次がある」という気持ちになってしまうのだろうか。おそらく積極的に動けば結婚できるのに、交際段階に入ると1、2度の食事で連絡を入れなくなるので、女性から「交際終了」の宣告を出されてしまうのだ。
結婚相談所の利用者には、武史のようなタイプの男性が多くいる。見た目も悪くないし、年収もキチンとある。なかには高学歴や高年収の人もいる。身上書だけで判断すれば、女性たちから選ばれるタイプだ。彼らにも、もちろん“結婚をしたい”という気持ちはあるのだが、お見合いをして交際に入った後に積極的に動こうとしない。