歯を9本抜いた北村一輝
役作りのため、体重の増減のほかにも、肉体改造を行った人がいる。
「北村一輝さんも、'98年公開の映画『JOKER 疫病神』で9本歯を抜き、ほかの歯を削るなどして、悪人であるという雰囲気を醸し出す人相にしたそうです。また、堤真一さんは映画『容疑者Xの献身』で冴えない中年男性に見えるよう、髪を抜いたり、生え際を剃ったりしました」(前出・映画製作スタッフ)
しかし、やりすぎはよくないと植田教授は指摘する。
「歯も髪も、健康な状態なのに抜いてしまうのはもったいないです。歯並びは動くものなので、健康な歯を抜いたり、歯を削ったりすると、歯並びのバランスが崩れるのです。歯周病や虫歯、認知症のリスクが高まります。髪の抜け毛は若いうちこそいいですが、年をとってから行うとターンオーバーの周期が崩れ、2度と髪が生えないかもしれません。毛髪は紫外線や放射能などの有害物質から肌を守っているので、薄毛の方はがんのリスクが高まるともいわれています」
そんなリスクを抱えてでも多くの役者たちは、演じるキャラクターに沿うように、さまざまな努力を行っている。