3人以外にも、ママ芸人として活躍しているのが松嶋尚美だ。
「松嶋さんは結婚しても変わらないということでは大島さんと同じタイプ。もともとはっきりモノを言うほうで、“自分の子どもには牛乳を飲ませない”と発言したときにはバッシングにあいました。でも、自分の考えを曲げない姿勢には彼女の“芸人魂”のようなものが感じられましたね」(お笑いライターの富田陽美氏)
ちょっと特殊なケースなのが青木さやかで、
「青木さんはもともとアナウンサーや女優志望だったんですね。自分でも芸人向きじゃないと思っていたようで、出産を機に仕事の方向性を変えていきましたね」(富田氏)
富田氏は、大島が身体を張るママ芸人のパイオニアとして先頭に立っているという。もともとそういうタイプの芸人で、お尻を出すこともいとわない。番組でも、「結婚したから、出産したから、といって芸風は変えたくなかった。尻を出す母ちゃんでいたい」と話していた。
「女芸人ならではの芸風が認められるようになり、選択肢が広がりましたね。昔は女芸人に対してブスと言ってもいいのが常識でしたが、最近は変わってきました」(ラリー遠田氏)
キャリアの中断に悩む
今でも女性ならではの特殊事情は残っている。大島は妊活休暇を取るときに悩んだという。
「自分だけの問題じゃなくて森三中、スタッフみんなに影響することだから。3年後に実現したけど、このまま仕事なくなっちゃうのかな、とも思った。でも、夢を叶えることを優先しましたね」(同番組)
出産と子育てでキャリアが中断してしまうのは、一般のワーキングウーマンと同じ。お笑いと母親業を両立させようとすると、2つの立場のギャップに悩むことになる。芸風を変えないという大島に対し、虻川は自分では変えるつもりがなくても気持ちが変わってしまったと話す。
「笑いを取ることが人生の喜びと思っていたけど、子どもが生まれたら、それよりも社会平和とか……。どうかしちゃったんだ(笑)。子どものことで頭がいっぱいいっぱいになっちゃって」(同番組)
これまではお笑い100%でやってきたのに、子育て中はそんなわけにもいかない。みんなが面白いことを考えているときに、自分は自転車の後ろにはどんなカゴをつけたらいいんだろうかと悩んだり、お笑いと育児、平和を順繰りに考えたりしていたという。
要するに、ネタを考える時間がなかなか確保できないのだ。大島も、以前とはスタンスが変わってきたと語っていた。