ビジネスの世界は「動詞」表現が8割!?

 相手から「わかりにくい……」「結局、どういうこと?」といった反応が返ってくる「説明下手」な状態を解消するには、まず「そもそもなぜ、うまく説明できないのか?」という理由を明らかにするのが先決です。

 私はよく、セミナーや研修の場で受講生の方たちに次のような質問を投げかけます。

「『動詞』と『動作』の違いがわかりますか?」

 もちろん、唯一の正解があるわけではありません。あくまで私的な解釈ですが、私は両者の違いを特に重視して、次のように分けています。

動詞:その言葉だけを見聞きしても「何をしたらいいか」がわからない表現。

動作:その言葉を見聞きすれば「どう行動したらいいか」がわかる表現。

当記事は「東洋経済オンライン」(運営:東洋経済新報社)の提供記事です

 たとえば、書店に並んでいるビジネス書などを手に取ると、多くの書籍が「仕事をするうえで『目的を意識する』ことが大切だ」と主張しています。

 では、ここで1つ質問です。

「いったいどうすれば、『目的を意識する』ことができるでしょう?」

 答えはいろいろと考えられますが、私なりの考えでは、次のようになります。

「目的を紙に書いて、繰り返し見る」

 ポイントは、この表現を見聞きした相手が「行動」できるか、「実践」できるか、「習慣化」できるかです。すなわち、「動作」に移せるか。