“待つストレス0”で働くママもリピ買い『ロハコ』デザイン商品
有田焼の技法を用いたハンドソープボトルや、木箱をモチーフにしたトイレットロールなど、従来の日用品にはなかったおしゃれな商品を販売する、アスクルの個人向け通販『LOHACO』。「くらしになじむ」をコンセプトに、女性を中心に人気を集めている。
「もともとアスクルでは法人向けに、北欧デザインのPB商品を多く手がけてきました。ネット販売なので、店頭で目立つ必要がないぶん、デザイン性を重視した商品開発が可能になる。これは個人のお客様にもニーズがあると思いました」
そう話すのは商品のデザイン制作を担当するバリュー・クリエーション・センターの中里裕治さん。
“除菌”などの効能は容器に大きく表記せず、サイト内で説明すればいい。だから、インテリア感覚で飾れる日用品が生み出せるのだ。
’15年にメーカー21社とともに『東京デザインウィーク』に出展。反応を見ながら商品化したところ、従来品と比較して割高なのにもかかわらず売り上げは想像以上だった。例えば花王の除菌&消臭剤『リセッシュ除菌EX』の場合、発売後の初動の売り上げが通常品と比べて約12倍、10か月後のトータルの売り上げも約7・5倍を記録した。
「将来的には、メーカーとロハコのお客様で商品を作れるようにできたら」(バリュー・クリエーション・センターの早乙女愛実さん)
ネット通販で不便なのは、商品が届くのを待たなくてはならないこと。“忙しい女性の暮らしに寄り添うサービス”を追求するロハコでは、1時間、2時間という小刻みな時間帯で受け取りを指定できる『Happy On Time』を東京と大阪の一部地域(※)で導入している。
一般的な宅配便では、「午前中」と午後は2時間単位の指定枠で21時までの配達となるが、同サービスでは、1900円以上の注文で、8時~22時の間の2時間単位の指定が無料。3000円以上の注文では、6時~24時の間の1時間単位の指定が無料になる。
ロハコのスマホアプリで通勤中に買い物をするという40代の主婦の女性は、「朝注文すれば夜届くのが便利」と語る。「子どもに、“絵の具の筆がすぐに欲しい”とか、“ノートが切れた”と言われても、買い物に行けないこともあるので、助かっています」
別の40代の女性は、「30分の幅でいつ届くかがわかるので、その前にお風呂に入ったり用事をすませることができる」と話し、働くママにとって便利なサービスであることがわかる。利用者としてはありがたいサービスだが、ドライバーの負担がかかるおそれは? ECR本部配送マネジメント配送イノベーションの吉村芳記さんはこう明かす。「多少、プレッシャーに感じるドライバーもいると思います。でも、負荷を減らすためにAIを活用し、精度の高い配送計画を作成する取り組みもしています」
利用者が受け取りやすくなることは、結果的にドライバーの負担を減らすことにもつながる。一般的な宅配の不在率が約20%なのに対し、同サービスで1時間枠を指定した人の不在率は3%を下回る。双方にとってハッピーなサービス。エリア拡大に期待が募る。